デルタ8THC(テトラヒドロカンナビノール)は合法?日本での扱いは?
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2022年2月10日

デルタ8THC(テトラヒドロカンナビノール)は合法?日本での扱いは?

CBDや大麻のことを調べていると「Δ8-THC」や「Δ9-THC」といった表示が目に入ることがあるのではないでしょうか。

「Δ8-THC」や「Δ9-THC」というのは、大麻に含まれる成分の1つ、THC(テトラヒドロカンナビノール)のことで、薬物によるいわゆる「ハイ」になる精神活性作用をもつ成分です。

CBDが注目を集め、CBD以外の麻の成分を配合した製品も続々と販売されていますが「Δ8-THC」や「Δ9-THC」という成分はどうなのか、日本でも使用できるのか、気になっている方もいるのではないでしょうか。

こちらのページでは「Δ8-THC」や「Δ9-THC」とはどんな成分なのか、一般にTHCと呼ばれる成分と違いはあるのか、日本や海外での違法性についてもまとめて解説します。

CBDなど大麻に含まれる成分を知るための、1つの知識として参考にしてください。

デルタ8THC(テトラヒドロカンナビノール)は合法?日本での扱いは?

デルタ8THC(テトラヒドロカンナビノール)は合法?日本での扱いは?

「Δ8-THC」は、デルタ8THCやデルタ8。「Δ9-THC」も同様にデルタ9THCやデルタ9とも表示されることがあります。

デルタ8THCもデルタ9THCも、大麻に含まれるカンナビノイドと呼ばれる植物性化合物の一種です。

■カンナビノイドとは?CBDとどんな関係なの?■

デルタ8THCとデルタ9THCは、数字は異なりますが、THC(テトラヒドロカンナビノール)であることに変わりなく、日本ではいずれも違法な成分です。

CBD製品であっても、THCの成分がわずかでも含まれていれば、日本へ輸入することはできません。

CBDを個人輸入する際など、Δ8やΔ9といった表示のあるものは違法ですから注意してください。

■CBDの個人輸入は100%自己責任!知らなきゃヤバい重大リスク■

デルタ8THCはアメリカでも賛否両論

デルタ8THCはアメリカでも賛否両論

デルタ8THCを含む大麻製品は、アメリカなど大麻合法化が進む国において入手可能となっているケースがありますが、これは州によってはグレーなところも。

2018年、米国農務省(USDA)により、産業用大麻(ヘンプ)生産に関する暫定の最終規則が示され、THC0.3%未満のヘンプが規制物質法の対象外とされました。つまり、合法となったわけです。

ただ、この最終規則の中では「delta-9 tetrahydrocannabinol(デルタ9THC)」に関する記載のみで、デルタ8THCに関しては一切触れられていません。

具体的には「デルタ9THCが0.3%未満のものを産業用大麻(ヘンプ)とする」という定義がなされており、その範囲内であれば合法である、といった内容なのです。

ここから「デルタ8THCは合法」とする解釈が生まれ、多くの企業がデルタ8THCを大麻製品として販売することに繋がりました。

法の抜け穴を利用した商法というわけです。

ただ、アメリカの規制物質法(CSA)にて定められている、規制対象物質のスケージュール分類には「Tetrahydrocannabinols(テトラヒドロカンナビノール)」の項目において「THC, Delta-8 THC, Delta-9 THC, dronabinol and others」と、デルタ8THCの記載があります。

デルタ8THCは、スケジュールⅠの規制対象物質であることは間違いないのです。

大麻合法化が進められているアメリカでも、デルタ8THCは農業法ではグレーながら合法ともいえる一方、連邦法によっては明確に規制対象。こうした解釈の誤差などによって、賛否両論、論争が巻き起こっているといえるでしょう。

デルタ8THCとデルタ9THCの違いは

デルタ8THCとデルタ9THCの違いは

デルタ8と9。これらの意味や違いについて見ていきましょう。

デルタ9THCとは

一般にTHCと呼ばれているのが「デルタ9THC(テトラヒドロカンナビノール)」。

大麻で「ハイ」になるのは、このデルタ9THCによる作用です。

■CBDとTHC|大麻成分の合法違法を分けるのはココ■

デルタ8THCとは

「デルタ8THC(テトラヒドロカンナビノール)」というのは、デルタ9THCの異性体と呼ばれています。

異性体というのは、分子式は同じなのに、その配列構造が違うことで性質が異なる化合物のこと。

デルタ8THCとデルタ9THCはここが違う

デルタ8THCとデルタ9THCは、分子式が同じということで、限りなく近い成分ではあるのは間違いないのですが、この2つの成分は性質が異なります。

一般に、デルタ9THCはハイになる作用が非常に強く、デルタ8THCはハイになるものの、その作用はデルタ9より緩やかといわれています。

精神作用を及ぼす成分としてTHC(デルタ9THC)は研究が進められていますが、それと比較すると、デルタ8THCについては、いまだ研究が進んでいないというのが実情です。

アメリカではデルタ8THCの勧告も

アメリカではデルタ8THCの勧告も

日本内閣府の食品安全委員会ホームページにて「米国疾病管理予防センター(CDC)、Δ-8THCを含む大麻草製品の入手可能性の増加及び有害事象の報告症例の増加に関して、健康警告ネットワーク(HAN)勧告を公表」というタイトルのデータが公表されています。内容は、デルタ-8テトラヒドロカンナビノールによるリスク勧告について。

「米国疾病管理予防センター(CDC)、Δ-8THCを含む大麻草製品の入手可能性の増加及び有害事象の報告症例の増加に関して、健康警告ネットワーク(HAN)勧告を公表」(食品安全委員会/内閣府)

この勧告の中で、

THCの健康への影響はまだ広く研究されておらず、よく理解されていない。しかし、Δ-8 THCは向精神薬であり、Δ-9 THCと同様の障害リスクの可能性がある。

と、デルタ8THCがデルタ9THCと同様のリスクがあること、健康への影響やリスクなどはほとんど解明されていないことが記されています。

また、

Δ-8 THCを含むが総THC含有量ではなく、Δ-9 THC含有量のみが表示されている製品は、消費者に対するこれらの製品の向精神活性の可能性が過小評価されている可能性がある。

とあり、デルタ9THCとデルタ8THCの表示の仕方などによって、成分的な解釈の誤解や、誤った摂取に繋がる可能性を示唆しています。

勧告の中ではこの他にも、CBDのような製品と思って使用したものが、実はΔ-8 THCを含む製品であり、その結果、大麻中毒のような症状を引き起こしたという事例や、保護者が購入所持していたΔ-8 THC入りグミを小児が誤食し、重篤な事象報告があったという事例も記されています。

デルタ8THCは、デルタ9THCより作用が緩やかとはいわれていますが、精神作用など大麻特有の作用があることには違いがないようですね。

いずれ、日本ではTHCは違法な危険薬物として規制対象となっていますので、海外からの持ち込みや個人輸入は厳禁です。

日本ではCBDなどTHC以外のカンナビノイドが合法となっていますので、現状はそれらの麻成分を上手に活用したいですね。

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