CBD業界のトレンド分析:市場動向から製品、消費者行動、ビジネスモデルまで

日本でもCBDの法規制が明確化されたことで、参入しやすい状況になっています。
参入にあたって
「CBD業界のトレンドは?」
「どんな目的でCBDは利用されてる?」
と気になる方もいるのではないでしょうか。
そこで本記事では、あらゆる視点から見たCBD業界のトレンドについて解説します。
目次
CBD業界の世界動向と日本における利用目的
世界のCBD市場は、特にアメリカとヨーロッパで急速な成長を遂げています。
アメリカでは、CBD製品が健康食品やサプリメントとして広く受け入れられており、多様な製品が市場に出回っています。ヨーロッパでも、CBDの合法化が進み、医療用および一般消費者向けの製品が増加しています。
一方、日本のCBD市場は、まだ成長段階にありますが、健康意識の高まりとともに、市場規模は拡大傾向にあります。
2022年に調査された、日本のCBD利用者の目的は以下のとおりです。
- リラクゼーション (77.8%)
- 睡眠改善 (66.3%)
- 不安軽減 (56.2%)
- 健康増進 (50.8%)
- 抑うつ改善 (47.8%)
調査結果から、日本のCBD利用者は、主にストレス軽減や睡眠の質向上のために利用していることがわかります。
CBD業界のトレンド①商品の多様性
CBD業界は、商品の多様性からさまざまなトレンドを生み出しています。
主な3つのカテゴリーである、食品・化粧品・べイプのトレンドについてご紹介します。
食品
CBD入り食品は、日常生活に取り入れやすく、忙しい現代人にとって健康をサポートする手軽な方法として人気があります。
グミやチョコレート、ドリンクなど、摂取しやすい製品が特に注目を集めています。
グミ
グミは簡単に持ち運ぶことができ、フレーバーのバリエーションも豊富であるのが特徴です。
外出先でも室内でも、場所を問わずリラックスしたい時に摂取できます。
■グミを手掛けるブランド
カンナビスとテクノロジーの融合を追求する「CannaTech社」の市場アプローチに迫る
母親として頑張る女性の実体験から生まれたCBDブランド「dr.hennep」のビジョンとは
チョコレート
チョコレートはCBD独特の風味を抑えつつ、おいしく摂取できるため、初めてCBDを試す人にも受け入れられやすいです。
高級感があり、ギフトとしても利用できるメリットがあります。
■チョコレートを手掛けるブランド
ハーブとCBDのシナジーを重視したCBDブランド「Felixina」の理念
ドリンク
水やお茶、炭酸飲料にCBDを配合した製品が増えており、水分補給と同時に摂取できるメリットがあります。
CBDドリンクは、今後さらなる普及が期待されています。
■ドリンクを手掛けるブランド
大正12年創業、(株)吉兆堂の新しい挑戦。CBDブランド「ataracia」へインタビュー
"炭酸カルチャー"の創造へ挑戦する炭酸総合ブランド「VOX」による、CBD飲料への想いに迫る
スキンケア製品
CBDスキンケア市場は急速に成長しており、2030年までに78億3460万米ドルに達すると予測されています。(参考:グローバルインフォメーション)
クリームや保湿剤など、さまざまなCBD配合スキンケア製品が登場し、肌トラブルやエイジングケアに関心の高い消費者から支持を得ています。
スキンケア製品の最新トレンドは、天然成分との組み合わせ、オーガニック認証製品への関心の高まり、パーソナライズド製品へのニーズ増加です。
また、スキンケア製品による効果だけでなく、安全性や信頼性も重要視されています。
そのため、製品の有効性を科学的に証明すること、安全性を確保すること、そして消費者に対する正しい情報提供が不可欠です。
■スキンケア製品を手掛けるブランド
「今日を癒す、自分に還る」国内製造の新世代コスメティクスブランド「fuuchi」のビジョンに迫る
こだわりの自然派コスメとアロマの調和から日々の生活に寄り添うCBDブランド「MindPlus」の理念に迫る
べイプ
CBDベイプの最大の魅力は、吸引後すぐにリラックス効果を得られる即効性です。
この特性を強調し、「忙しい現代人のストレスケア」や「睡眠前のひとときに最適」というライフスタイル提案に繋げられます。
フレーバーのバリエーションも豊富にあり、好みの香りを楽しみながらリラックスできるという、嗜好品としての側面もあります。
日本では、CBDを使う人のうち62.5%が電子タバコ型の製品を利用しているという調査結果があります。(参考:greenzonejapan)
このことからも、ベイプが日本の市場で特に人気のある形態であることがわかります。
■べイプを手掛けるブランド
スイスでも人気のCBDブランド「Sixty8」の秘密に迫る! #話題のCBDブランドに10の質問!
CBDの先駆け、アメリカ西海岸で生まれたオーガニックブランド「California Gold CBD」のビジョンとは
CBD業界のトレンド②消費者の行動
CBD業界のトレンドは、消費者の行動も影響しています。
近年では、ウェルネスブームや環境への配慮がトレンドです。以下で詳しくご紹介します。
ウェルネスブームの影響
ウェルネス志向が高まる中、CBDは健康的なライフスタイルを象徴する成分として注目されています。
特にストレス社会の中で、心身のバランスを整える手段として需要が拡大しています。
さらに、現代の消費者は「心と体のケア」を統合的に考える傾向が強まっており、CBD製品は瞑想やヨガなどのアクティビティと組み合わせて利用されるケースも増えています。
また、CBDを摂取することで、睡眠の質が向上するという報告も多く、快適なライフスタイルを求める層からの支持が拡大しています。
環境にやさしい製品
サステナビリティへの関心が高まり、環境に配慮したCBD製品が注目されています。
CBDブランドの中には、サステナビリティを企業理念に掲げ、環境に配慮した製品開発を行っているブランドもあります。
具体的には、オーガニック農園で育てられたプラントや自然由来の素材を使用、ケミカル成分を使用しない製品開発、シンプルで無駄のないパッケージデザインの採用など。
オーガニック認証やリサイクル可能なパッケージを採用するブランドは、消費者からの支持を得やすいです。
CBD業界のトレンド③ビジネスモデル
CBD業界では、D2C(Direct to Consumer)、サブスクリプション、OEMといった多様なビジネスモデルが活用されています。
3つのモデルは単独でもできますが、D2CとOEMを組み合わせた事業展開や、さらにサブスクリプションモデルを加えた3つすべてを組み合わせることで、より効果的なビジネスを構築することが可能です。
各モデルの特性を活かし、柔軟に組み合わせることで、収益の最大化や顧客満足度の向上が期待されます。
各モデルの特徴とメリットをご紹介します。
D2C
D2Cは、企業が中間業者を通さずに消費者へ直接製品を販売するモデルです。
特にCBD業界では、消費者との直接的な接点を持つことで、次のようなメリットがあります。
- 自社の理念や製品の価値をダイレクトに伝えられる
- 中間業者をなくすことで流通コストが削減される
- オンラインストアを中心に展開し消費者が手軽にアクセスできる
- 消費者の声が届きやすく、CBD製品やサービスにフィードバックしやすい
- 消費者の購買履歴や嗜好を詳細に把握できる
消費者との関係が近いため声をくみ取りやすく、製品の改良やより良いサービスの提供が可能です。
サブスクリプション
サブスクリプションモデルとは、顧客が定期的に料金を支払い、継続的に商品やサービスを受け取る仕組みのことです。
CBD業界では、以下のような形で導入されています。
- 毎月決まったCBD製品(グミ、スキンケア製品、ベイプカートリッジなど)を定期的に配送
- 顧客が選んだ商品の組み合わせや量に基づいたカスタマイズ可能なプランを提供
- 一定期間の契約に応じて割引や特典を付与
消費者は、定期的に商品が届くため購入の手間が省け、定期購入特典によりお得に製品が購入できるメリットがあります。
企業のメリットは、収益の予測が立てやすくキャッシュフローが安定し、リピーターの確保や消費者データが蓄積できることが挙げられます。
OEM
OEM(Original Equipment Manufacturing)は、企業がブランド向けに製品や原料を供給するモデルです。
CBD業界でのOEMには次のような特徴があります。
- 高品質なCBD原料が供給される
- 製品の多様化をサポートしてもらえる
- 参入障壁が低くなる
- 法規制に対応したCBD製品がつくれる
日本では2024年12月にTHC(テトラヒドロカンナビノール)の含有基準が明確化されました。
OEMを活用する際は、基準に適したCBD製品をつくれるか安全性の確認が重要です。
(参考)
CBD業界のトレンドと未来
世界のCBD市場は急成長を遂げており、日本でも健康意識の高まりとともに市場拡大が進んでいます。
リラクゼーションや睡眠改善を求める消費者ニーズに応えるため、食品、スキンケア製品、ベイプなど、さまざまな製品が注目されています。
また、ウェルネス志向やサステナビリティを重視する消費者行動の変化が、業界のトレンドに影響を与えています。
D2C、サブスクリプション、OEMといったビジネスモデルは単独でも実施できますが、これらを組み合わせることで効率的かつ収益性の高い事業展開が可能です。
法規制への対応や環境への配慮を念頭に置き、消費者の多様なニーズに応えることで、CBD業界でのビジネス成功が期待されます。
この記事を監修した人

CBD JAPAN 編集部
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