【THC】日本の大麻取締法の規制見直しでどう変わる?
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2021年11月23日

【THC】日本の大麻取締法の規制見直しでどう変わる?

世界的にも日本でも注目を集めている、大麻草の成分「CBD」ですが、その裏で違法性がある成分として知られているTHCの存在が気になるという方も少なくないでしょう。

「CBD(カンナビジオール)」も「THC(テトラヒドロカンナビノール)」も同じ大麻草の成分ということで、CBD製品の安全性に不安を持つ方もいるはず。

こちらのページでは、大麻の「THC」という成分に関連する日本の現況や、厚労省が示す規制見直し案等の内容を踏まえて、今後大麻製品の扱いがどう変わっていくのか、詳しく見ていきましょう。

THCと日本の大麻取締法

THCと日本の大麻取締法

THCは日本では、大麻取締法によって規制対象とされています。

とは言っても、大麻取締法の条文に「THC」という成分についての記載はありません。

大麻取締法第一章第一条には、

この法律で「大麻」とは、大麻草(カンナビス・サティバ・エル)及びその製品をいう。ただし、大麻草の成熟した茎及びその製品(樹脂を除く。)並びに大麻草の種子及びその製品を除く。
大麻取締法(e-GOV法令検索)より引用

とあります。

品種によっても成分の比率などは大きく異なるのですが、一般的に大麻草の成熟した茎や種子にはTHCがほとんど含まれておらず、大麻草の葉や花穂、樹脂部分には大量のTHCが含まれています。

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ですが実際には、どの部位から抽出した成分か判断するのは困難で、THCの含有量によって抽出部位を確認、判断基準としている、というのが現状なのです。

日本では、大麻栽培の免許を持った栽培者によって「大麻草の繊維もしくは種の採取目的」でのみ、栽培が認められています。

これ以外の目的での栽培や、免許を持たない人の栽培は大麻取締法違反に該当するのです。

そのため、日本で販売されている製品というのは、海外からの輸入原料によって製造されたものになります。

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CBD輸入時に必要な証明書等

CBD原料やCBD製品を日本に輸入する際は、厚労省に以下の書類を提出しなければなりません。

  • 証明書(大麻草の成熟した茎又は種子から抽出・製造されたものであることを証明するもの)
  • 成分分析書(分析機関等でのTHC等分析検査・結果を示すもの)
  • 写真(CBD原材料の全体像や製造工程等がわかる鮮明な写真)

大麻取締法によって、部位が指定されているため、その部位を証明するための分析機関等での検査や、写真なども提出が必要となっているのです。

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THCとは

THCというのは、テトラヒドロカンナビノールという大麻草に含まれるカンナビノイドの1つ。大麻草には100種以上のカンナビノイドが含まれているのですが、その中でも特に多く含まれる成分で、マリファナの主成分でもあります。

THCは、いわゆる「ハイになる」精神活性作用のある成分としてご存知の方も多いでしょう。THCは海外でも危険薬物として認識されており、日本だけでなく、多くの国でTHCの売買や使用などが規制されています。

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日本の大麻取締法の現在

現在日本では、CBD輸入の際にTHCがほんの微量でも検出されれば違法ですし、CBDであっても、その抽出部位によっては規制対象となります。

麻薬取締法違反となれば、逮捕の可能性も十分にあり得ます。

大麻取締法の罰則としては、一例として以下のような内容で罰則が科せられます。

非営利目的の場合 営利目的の場合
違法に大麻を栽培・輸出入を行った場合 7年以下の懲役 10年以下の懲役及び三百万円以下の罰金
大麻所持や譲渡・譲り受けの場合 5年以下の懲役 7年以下の懲役及び二百万円以下の罰金
医療用大麻の交付や施用を受けた場合 5年以下の懲役 7年以下の懲役及び二百万円以下の罰金

違法な輸入や所持については当然とも言えますが、医療目的で患者が使用したとしても、日本ではこのように重い罰則が科せられるのが現状です。

CBDを利用する際には、しっかりとこれらのことを踏まえて、信頼性の高いCBD製品を正規ルートで入手するように心がけたいですね。

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THCについて日本が示した大麻規制の見直し案とは

THCについて日本が示した大麻規制の見直し案

ここまで日本におけるTHCの扱いなどについて解説してきましたが、2022年以降はこの状況も変わる可能性が高くなってきました。

というのも、2021年現在、厚生労働省において大麻取締法改正への動きが本格化しているから。「大麻使用罪」の新設について、話題となっているのを耳にした方もいるでしょう。

この「大麻使用罪」以外にも見直し案として、大麻の部位規制等を見直す動きもあるのです。

具体的には、現状CBD輸入時、部位規制に該当しないか確認するためTHC含有の有無が調査されているのですが、その実体に沿って、今後は大麻草の部位規制ではなく、THC含有量で判断してはどうか、といった見直し案になります。

大麻等の薬物対策のあり方検討会(厚生労働省)

今は大麻草の部位規制があるため、CBD含有量の多い葉や花穂、樹脂ではなく、少量しか採取できない茎を大量に処理する必要があり、結果コストが高くなるというマイナス要素があります。

もし、来年にでも法改正が認められれば、今より安い価格帯でCBD原料や製品を入手できるようになる、という可能性もあるでしょう。

また、医療大麻についても規制が緩和される可能性があります。医療大麻が解禁となれば、既存の医薬品では治療効果が得られず、医療大麻に期待を寄せる人の手にも届く日が来るかもしれません。

■医療用大麻との違い|ヤバい大麻との違いは?■

【日本の大麻取締法】規制見直しでどう変わる?

【日本の大麻取締法】規制見直し

日本の大麻取締法は、2022年の法規制見直しでどう変わっていくのか。

大麻取締法は昭和23年に制定された法律であり、その制定された経緯・歴史なども興味深いものがあります。

■大麻禁止の本当の理由|違法薬物となった歴史的経緯に隠された真実■

国際的にも大麻草への認識が変わりつつある中、日本でも対応がどうなるのか注目したいですね。

CBDは、基本的に日本で法に触れることはありませんが、抽出個所により違法となるため、この規制見直しは今後のCBD業界にも大きなインパクトを与えることとなるでしょう。

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