大麻の副流煙が体や脳に及ぼす影響とは?ダメージは避けられない?
では、同じく副流煙が発生する大麻についてはどうでしょうか。
喫煙者は含有主成分であるTHCを摂取することで高揚感を得られますが、そういった効用を求めない非喫煙者にとっては身体への影響の方が重要なポイントといえるでしょう。そこで今回は、大麻の副流煙が体や脳に及ぼす影響について解説していきます。
目次
大麻の副流煙も身体に影響を及ぼす可能性はある
まず結論として、大麻の副流煙が身体に影響を及ぼす可能性はゼロではなく、場合によっては喫煙者と同じようにトリップすることもあります。
しかし、あくまでもそれは通常喫煙と同程度の濃度を取り込んでしまったケースであるため、適切な対応によって容易に避けることはできるでしょう。
また、高頻度で常用しているわけでもないため、発がんや肺機能、そして脳に与えるダメージも極めて限定的であることから、数回程度副流煙を取り込んだとしてもそこまで過度な心配は不要といえます。
大麻に含まれる成分と多幸感を得る仕組み
日本において大麻は違法薬物に指定されているため、含有されている成分や多幸感を得る仕組みに関する一般的な認知度は当然高くありません。
しかし、副流煙に対する理解を深めるにはそれらについて知ることも重要なポイントであるため、ここで解説する内容をしっかり押さえていきましょう。
そもそも大麻とは
アサ科に分類される大麻は、正式名称を大麻草(カンナビス・サティバ・エル)と称されており、紀元前の昔から中国、ヨーロッパ、中東やアメリカ等でも広く分布している天然の植物です。
そして1800年代には西洋を中心に医療目的で用いられ始め、月経痛の緩和や腹痛、発熱の対処療法、不眠症の改善に効果があるとして普及していきました。
また、日本においては江戸時代にマラリアの治療薬として活用されていた記録も残っており、その効用は嗜好品としてだけでなく、人々の治療行為にも有益であったことが伺えます。
一方、大麻の特性であるトリップ感覚は神道において神聖なものとして扱われてきた歴史もあり、日本では注連縄や神々の献上品として、諸外国では霊的なアイテムとして祈祷師やシャーマンが愛用していました。
このように大麻は、古くから世界的に認知されてきた植物であり、薬物としての危険性が指摘されるまでは通常の漢方のように一般流通していたのです。
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トリップを引き起こす成分とは
大麻には実に60種類以上の成分が含有されていますが、その中で脳に直接的な影響を与えてトリップを引き起こす主成分がTHC(テトラヒドロカンナビノール)です。
これは人間の脳内で生成される睡眠や記憶、気分を調整するアナンダミドと類似した成分であり、煙を摂取することで脳細胞を一時的に活性化させ、強烈な集中力で意識や思考を行うことが可能となります。
そしてそういった背景から、大麻の効用が表れている際に車の運転や激しい運動をすると、注意が他に向かなくなり事故に繋がる確率が高まるのです。
また、肝心の多幸感を得る仕組みはTHCが脳内ドーパミンに強く作用するためであり、その効果は砂糖やカフェイン、アルコール等と比較にならないことは明白でしょう。
ちなみにその他にも食欲増進や音に対して敏感になるといった様々な作用があるため、喫煙者にとっての楽しみの1つに挙げられています。
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大麻が脳や体に与えるダメージとは
ここまで解説した通り大麻は直接的に脳の受容体へ作用することから、何かしらの負荷が発生するようにも思えるでしょう。
また、脳以外の身体への影響も気になるところです。
そこで次は、大麻の効用ではなくダメージにフォーカスして見ていきましょう。
最初に押さえておきたいバッドトリップ
大麻を使用する上ではバッドトリップについて押さえておく必要があるでしょう。
これは使用した際に多幸感ではなく、強いパニックや不安感を引き起こしている状態を指しており、以下のような条件が重なると発生する確率が高まるとされています。
- 慣れない状態での過剰摂取
- 身体が披露している
- 緊張状態にある
主に初心者や緊張を紛らわすために使用する方が陥りやすく、疑心暗鬼や閉塞感等で自分自身を制御することが困難となってしまうことに加えて、強い吐き気や頭痛、めまいに襲われるケースもあるため、適切な使用方法や摂取量が肝心とされています。
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身体に与えるダメージとは
次に身体に与えるダメージについてですが、実はこの点において主成分であるTHCはそこまで問題とはされておらず、大麻が燃焼して放出される発がん性物質にフォーカスされることが多くなっています。
これはタバコはもちろん焚火をする際にも共通することであり、喫煙する以上は肺がんや喉頭がんリスクは必然的に高まると認識した方が良いでしょう。
脳に与えるダメージとは
大麻に含まれるTHCは、人間の脳内に存在するカンビノイド受容体に作用することで多幸感を与えますが、その際同時に学習や記憶、コミュニケーション能力を司る白質に悪影響を及ぼすことが提言されており、日常的に過度な使用を続けることで更にダメージは大きくなるでしょう。
しかし、一般的に大人とされる年代は脳内の神経系が確立されているため、ある程度の抵抗力が備わっていることから、過度な接種をしなければそこまで注意する必要性は低いといえます。
ただし脳が未発達の25歳以下の世代が使用する場合はこの限りでなく、まだ形成段階の白質に甚大なダメージを与える可能性が提言されており、年齢が下がるほどにそのリスクは爆発的に高まるとされています。
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副流煙の影響について
ここまでは使用する際のダメージについて解説してきましたが、実際のところ副流煙であっても成分濃度や構成が変化することはないとされており、トリップはもちろん、発がん性物質に関しても体に取り込んでしまう可能性もあるでしょう。
しかし、直接的に煙を取り込むわけではないため、小さな密室で煙が充満するレベルでなければそこまで警戒する必要はなく、たとえば屋外で副流煙を吸い込んでしまったとしてもほとんどの場合は外気で薄まっており、屋内であってもしっかり換気されている環境なら基本的に心配は不要です。
ただし、大麻の煙には特有の「匂い」があるため、単純に気分を害したり、衣服や髪の毛に定着してしまう等は誰にでも起こり得る問題であり、その点においては既に広く流通している紙巻きタバコと大きな違いはありません。
したがって、現在日本においては明確な違法薬物として取り扱われていることから、副流煙の被害にあうことは原則あり得ないことですが、万が一そういった場面に遭遇したとしても、直ちに悪影響を受けるわけではありませんので、本記事で解説した内容を参考に正しい認識を持って対処して下さい。
■大麻の副流煙が体や脳に及ぼす影響とは?ダメージは避けられない?■
この記事を監修した人
CBD JAPAN 編集部
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