大麻禁止の本当の理由|違法薬物となった歴史的経緯に隠された真実
学ぶ
2021年9月1日

大麻禁止の本当の理由|違法薬物となった歴史的経緯に隠された真実

日本での「大麻」と言えば、多くの人が「危険性の高い恐ろしい違法薬物」といったイメージを持っていますよね。ただ最近は、大麻の1成分であるCBDが世界中で注目されており、大麻へのイメージも少し変わりつつあるのではないでしょうか。

精神作用をもたらす成分を含むということで、その他の薬物とまとめて同じ扱いをされている大麻ですが、この大麻が日本で禁止された背景には、実は意外な真実が隠されているのです。

「大麻は悪い影響しかないから法律で禁止されてるんでしょ?」と思っているのなら、それは全く違います。

こちらのページでは、日本で大麻禁止となった本当の理由についてご紹介します。興味深い大麻の歴史を一緒に辿ってみましょう。

大麻禁止の本当の理由~日本における大麻の歴史~

大麻禁止の本当の理由~日本における大麻の歴史~

大麻禁止となった頃の日本では、国も国民も大麻が危険なものといった認識を全く持っていなかったのです。これは本当に意外ですよね。

これはどういうことなのか、ここから詳しく見ていきましょう。

大麻禁止以前の日本では麻の栽培が奨励されていた

大麻は、人類が初めて栽培した植物としても知られており、日本でも縄文時代や弥生時代から栽培され、縄や布にして多く活用されていたことがわかっています。

その後も大麻は

など、衣類を中心として様々な形で広く利用されていました。

1940年には、麻の需要拡大で国が大麻栽培を奨励、当時の農林省によって日本原麻株式会社まで設立されています。

大麻禁止のきっかけは第二次世界大戦終戦

ところが1945年、第二次世界大戦終戦後、日本は連合国軍最高司令官総司令部(GHQ)の支配下となり、その際にGHQより「日本に於ける麻薬製品および記録の管理に関する件」として覚書が発行されました。

これが後に、日本の麻が麻薬として規制されるきっかけとなるのです。

日本にとっては寝耳に水の大麻規制

日本ではそもそも麻を薬物とするような認識はなく、日本の麻が麻薬に該当するなど思いも寄らなかったという状況だったようです。

当時は国が奨励していたこともあり、多くの農家が麻専門で栽培を行っていたのですが、ある時農家の人々が大麻を栽培しているということでGHQによって検挙され、麻を全て絶滅させるようにと命令が下されたのです。

そこで国が農家の人々を守るために、専業農家の人々に「栽培の許可を与える」ということでGHQに交渉、なんとか事を収めようと制定されたのが「大麻取締規則」でした。

しかしその後さらにGHQから大麻取締強化の要請がなされ、「大麻取締法」という法律が制定されるに至ったのです。

その頃の日本にとってはまさに寝耳に水で、なぜこんなことになるのか?といった状況だったにも関わらず、GHQからの圧力で大麻取締法が制定され、そして現在までその法律がそのまま生きているのです。

目的不明の大麻取締法?

大麻取締法は、日本での大麻使用による弊害があったから規制されたのではなく、大麻農家をなんとかして守るためにと設立された規則からの法制定でした。

ですが、時代は流れ、その変化と共に日本でも大麻が違法に使用される事例も発生するようになり、いつしか大麻は悪いもの、「ダメ。ゼッタイ。」といったキャンペーンが展開されるようになります。

そもそものスタートした時点とは徐々に目的が変わっていったのです。

戦後の歴史的な状況から苦肉の策として生み出され、やがて薬物が問題視されるようになると大麻取締法で取り締まりをするようになり、そしてその法律に縛られたまま日本では大麻草についての研究や検証もほぼ行われずに現在に至っています。

大麻草の成分や、どういった作用があるのか、悪い影響をもたらす成分はなにかなど、メカニズムなども一切わからないままに、大麻取締法がそこにあるから規制を続けているといったような状況なんですね。

さらに矛盾を感じる点として、最初に日本に規制を強いたアメリカでは現在、医療大麻など研究が進み、合法化が進んでいるということです。日本では、確たる根拠を得るための研究や検証もせず、医療大麻すら容認できないというのは不思議な話しではないでしょうか。

アメリカの大麻禁止の背景も問題だらけ?

アメリカでの大麻禁止に至る背景

アメリカでも、過去には大麻が禁止されていました。ですが、この背景にもまた疑問を抱かざるを得ないような事実があるのです。

禁酒法の変わりに大麻が標的に?

アメリカで1933年に禁酒法が廃案となった際に、取締対象を失った当時の取締局長が掲げたのが「アメリカから全ての薬物をなくす」という使命でした。

ここから、1937年のマリファナ課税法に、そして大麻禁止へと繋がっていくのです。

この裏には、人種差別という根深い問題も隠されていて、現在でも大麻所持による逮捕率は黒人が白人の3.7倍も高いとのこと。

禁酒法の廃案や人種差別などがきっかけとなり、大麻禁止となったアメリカでも、大麻の危険性について「本当に大麻にそんな危険性があるのか?」と疑問視する声があったにも関わらず、それらは全て無視されてきたのです。

日本で大麻規制法が施行された経緯もそうですが、アメリカでの大麻禁止への根拠もどうにもしっかりとした根拠が感じられない気がしてしまいますね。

アメリカでも過去には大麻栽培を奨励していた

アメリカがイギリスから独立する頃、入植者にヘンプの栽培が奨励されたり、義務化されたこともありました。当時はヘンプが経済の支えの1つとなっていたのです。

アメリカでは、古くからその薬効が認められており、一時期は大麻からティンクチャー(チンキ)というものが作られ、万能薬として薬局で販売され、あらゆる症状に使用されていたという歴史もあります。

そうした背景がありながらも、禁酒法が廃案になったことで事態は変わっていったのです。大麻にまつわる歴史は本当に複雑で興味深いですね。

現在の日本の大麻事情をもっと知ろう

現代の日本の大麻事情

大麻に関する日本の歴史もアメリカの歴史も、事実を知ると少なからず疑問が湧いてきませんか。

「悪」と断定する要素があったとしても何も調べずに、人類が初めて農耕を始めた頃から存在し、人々を支えてきた大麻という植物を完全に悪者扱いするだけというのが本当に正しいのか。

現在は大麻がTHCやCBDといった様々なカンナビノイドを含むことがわかっており、単一で取り出すことも可能。さらにCBDには抗酸化作用や神経保護作用があることもわかっています。

日本では大麻というとそれだけでタブーといった雰囲気さえありますが、良くも悪くももっと大麻のことを正しく知る機会があっても良いのではないでしょうか。

あなたが大麻についてもっと正しく知るきっかけになれば幸いです。

この記事を監修した人

CBD JAPAN 編集部

CBD JAPANは2021年10月に設立された企業で、「心身の本来の力を引き出し、健康で明るい社会を作る」というミッションを掲げています。コラムは全て下記の監修者のもとで、コンテンツ制作ポリシーに従い制作しております。

おすすめ商品一覧