新しいカンナビノイド研究室が医学研究に大きな変化をもたらす見込み
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2024年4月28日

新しいカンナビノイド研究室が医学研究に大きな変化をもたらす見込み

新しく誕生したパナシア生命科学カンナビノイド研究センター。
コロラド州立大学の最新鋭の研究所であり、カンナビノイド科学の道を切り拓くことが期待されている。
研究室の監督はメリッサ・レイノルズ氏。
レイノルズ氏は「学内外の研究者を集め、より良い社会を作るためにカンナビノイドを利用するにはどうするべきなのかを検討中だ」と述べている。

カンナビノイドは大麻に含まれる成分であり、CBD、CBG、THCなど様々な種類がある。
そしてこのカンナビノイドには、「食欲、痛覚、気分、記憶などをコントロールする役割を持つ体内の受容体」と相互に作用する。

THCは人間の気分を高めるカンナビノイドであるが、この研究所では現状研究されていない。

一方でCBDの研究は盛んに行っており、この研究所が人類とCBDの関わり方を変えると見られている。
(CBDは発作や不安、痛みなどの緩和に役立つと言われている)

ただし今のところ、潜在的な医療効果の全容を把握するための科学的データと分析が不足している。
この現状に対してレイノルズ氏は「我々は、どのカンナビノイドがどの程度の量でてんかん・体重低下・不安などに対してどの程度の効果をもたらすのかを測定できるようにする必要がある」と述べている。
また、「その測定をできるようにすることが、どのカンナビノイドをどのような用途で利用するべきなのかを理解するためのキーポイントとなる。これにより、カンナビノイドの選択肢が広がる」とも語っている。

レイノルズ氏はさらに「信頼できるデータを収集できれば、アルコール中毒や過敏性腸症候群、不眠症などの特定の症状の治療環境を変える事になるかもしれない」ともコメントしている。

さて、カリフォルニア大学アーバイン校の大麻研究センター長であるダニエル・ピオメッリ氏は「臨床的証拠に基づき、有効性がある程度認められているカンナビノイドの用途は狭い」と述べている。

ピオメッリ氏曰く「法的ハードルの影響で、大麻に関するデータはこれまで限定的にしか取ることができていない」とのこと。
また、「過去数十年にわたりカンナビノイドの研究は着実に成長してきた。だが、多くの研究は、依存性薬物専門家委員会により制定された『カンナビノイドは危険度が上から二番目であるという』という規定によって阻まれていた。そのため、カンナビノイドの研究をするのは非常に難しかった」とも述べている。

ピオメッリ氏は、カンナビノイドの研究が十分に行われ、法的規制が変わることを望み「無作為化されたプラセボ対照試験と、十分な検査能力のある臨床試験が必要だ」と語る。
また同氏は「大麻に関するデータが今のところ不足しており、患者に対して『これが適切な効果を得るための分量であり、この方法で処方すべきである』と伝えることができるエビデンスを今のところ十分には有していない」と語った。

さて、パナシア生命科学カンナビノイド研究センターの機器であれば、他の多くのセンターよりも微量のデータで各種測定が可能である。よって、規制が変わっても機敏に対応できる。
レイノルズ氏は「この研究所には、学術機関として非常に珍しい中規模製造分離装置がある。これにより大規模で、自由度の高い研究をすることができる」と述べている。
また、「パナシア生命科学カンナビノイド研究センターは、医療分野に大きな影響を与えるのみならず、世界に影響を与える次世代の科学者を育成している」とも語っている。

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