CBDの依存性は?タバコやアルコールと比較してみた結果
では、実際のところ、世界的な機関はどう認識しているのか?
こちらのページでは、CBDの依存性について、タバコやアルコールと比較してご紹介します。
CBDに依存性はある?
CBDには、依存性が無いと言われています。
WHOの2017年第39回会議「カンナビジオール(CBD)事前審査報告書」でも、依存性について触れています。
具体的な内容としては、CBDについて同資料内で、
ヒトにおいて CBD は、乱用あるいは依存可能性を示唆する作用を示さない。
とあり、さらに同資料「乱用の可能性のヒト臨床試験」の項目において、
研究の数が制限されるのに対して、十分にコントロールされたヒトの実験的研究からのエビデンスは CBD が乱用可能性と関連しないことを示している。
とも記されています。
また、同資料 「非医療的使用、乱用及び依存」の項目でも、
現在のところ、純 CBD 使用に関連した乱用あるいは依存の症例報告はない。
とあります。
ただし、これはあくまでもCBDに関しての記述であり、同じく大麻に含まれるTHCに関しては、
THC(経口 10mg)投与は、幻覚を起こす活性と鎮静を反映している ARCI スケールの変化と同様、主観的な中毒と陶酔感に関連していた。
THC は、同じく精神病症状と不安を増やした。
と、日本で違法となるTHCについては、このような表現がされています。大麻成分のCBDは合法でも、THCはあくまでも違法です。
CBDの依存性は無いと言われていますが、では、日本でも多くの方が摂取しているタバコやアルコールについてはどうなのか、引き続き詳しく見ていきましょう。
タバコの依存性
タバコの依存症というのは、日本でも多くの方が体験しています。あなたの周りにも、ニコチン中毒と思われる方がいらっしゃるのではないでしょうか。
タバコはニコチンによる依存に陥りやすく、やめにくいのが特徴です。
実際、日本の病院でも禁煙外来がありますよね。タバコの依存症は「ニコチン中毒」という病気と捉えられており、保険適用での治療が可能。
タバコをやめたくてもやめられない喫煙者のために、医療機関の専門外来があり、そこでニコチン中毒から離脱するための薬を処方しているのです。
ニコチンというのは、体内への吸収が早く、持続時間も短いため、連鎖的に吸うようになります。ニコチンというのは、ドーパミンやセロトニンなどの神経伝達物質を大量に分泌させます。
神経伝達物質には、
- ドーパミン → 意欲、幸福感
- セロトニン → 精神安定、安心感
- ノルエピネフリン → 興奮、覚醒
- アセチルコリン → 認知力の向上
- バゾプレッシン → 記憶力の改善
- β-エンドルフィン → 気分の高揚、不安緊張の緩和
などの成分とそれぞれの役割があり、ニコチンがこれらを大量に分泌させるのです。
喫煙を長期間継続すると、本来ヒトに備わっているこれらの神経伝達物質を分泌する機能を低下させてしまい、タバコをやめると離脱症状が起こります。
ニコチン切れによる離脱症状というのは、イライラしたり、注意力が散漫になったり、不安、だるい、不眠などとなって現れます。
この離脱症状により、ますますニコチンが手放せなくなるというわけですね。
タバコには依存性があるだけでなく、約70種にも及ぶ発がん性物質が含まれており、その他、肺疾患や脳卒中などの危険性も高まることが分かっています。
また、受動喫煙でも年間約15,000人もの人が死亡しているというデータもあるのです。未成年者が喫煙していても、いきなり逮捕されることはまずありませんが、ちょっと不思議に感じませんか。
アルコールの依存性
アルコールの依存性というのは、飲酒量などを自分で調節できなくなってしまう状態を言います。
周りに何を言われても、お酒に溺れてしまうのです。起きている間、お酒を飲み続けるようになり、やめることができません。
アルコールの離脱症状には、飲酒をストップして数時間後に現れる「早期離脱症状」と、数日後に現れる「後期離脱症状」とあります。
早期離脱症状では、
- イライラ
- 手や体の震え
- 不整脈
- 発汗
- 血圧上昇
- 幻覚
- 幻聴
などが現れ、数日後に出ると言われている期離脱症状では、
- 記憶障害
- 見当識障害
- 興奮
- 発熱
なども出現します。見当識障害というのは、自分の置かれた状況や場所、時間などが分からなくなる症状です。
こうした症状が出るため、アルコールをやめることができず、繰り返し飲み続けてしまうという悪循環に陥りやすいのです。
有害性ランキング、大麻やアルコール、タバコは何位?
タバコもアルコールも、依存症となれば必ず周囲へも悪影響を及ぼします。依存症となる人の数も決して少なくないのが現状です。
禁煙治療やアルコール依存症の治療は保険適用で、自治体によっては治療の助成まで行われています。
それほどに、依存で苦しむ人が多いということですよね。
実は、2010年、イギリスの薬物問題・依存症専門の精神科医ナット博士を中心とした組織「薬物に関する独立評議会」により「薬物の有害性ランキング」という論文が発表されています。そこで最も有害性が高いとされたのはアルコールなのです。
この「薬物の有害性ランキング」の論文は、薬物政策に関する国際委員会(GCDP)の資料でも引用されています。
この有害性ランキングでは、以下のような結果となっています。
順位 | 「薬物に関する独立評議会」 の調査を元に作成した 薬物の有害性ランキング |
---|---|
1位 | アルコール |
2位 | ヘロイン |
3位 | クラックコカイン |
4位 | メタンフェタミン |
5位 | コカイン |
6位 | たばこ |
7位 | アンフェタミン |
8位 | 大麻 |
9位 | GHB |
10位 | ベンゾジアゼピン |
11位 | ケタミン |
12位 | メサドン |
13位 | メフェドロン |
14位 | ブタン |
15位 | ステロイド |
16位 | カート |
17位 | エクスタシー |
18位 | LSD |
19位 | ブプレノルフィン |
20位 | マッシュルーム |
この報告によると、大麻も有害性のある薬物であることがわかりますが、アルコールやタバコの方が高い有害度ランクを示されていることもまた事実です。
少なくとも、CBDに関しては日本国内でも違法性がなく、アルコールやタバコのような依存性もありません。
研究も盛んな分野なので、今後も注目していきたいですね。
この記事を監修した人
CBD JAPAN 編集部
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