大麻と煙草を比較|両者のメリット・デメリットを真面目に考えてみた
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2021年10月22日

大麻と煙草を比較|両者のメリット・デメリットを真面目に考えてみた

大麻と煙草、どっちが安全か。

日本であれば「それは煙草に決まっているでしょう」といった答えが返ってきそうですが、実際のところはどうなのか。

というのも、大麻は煙草より安全であるといった見方も世の中にはあるからです。

こちらのページでは大麻と煙草を比較して、肺への影響やその他のメリット・デメリットなどについて詳しくご紹介します。

大麻と煙草を比較してわかる意外な事実

大麻と煙草を比較してわかる意外な事実

大麻も煙草も、原料となる植物を乾燥させるなど加工したもの。

  • 大麻はアサ科アサ属の大麻草
  • 煙草はナス科タバコ属の葉たばこ

をそれぞれ原料としています。

過去、たばこの茎は薪の代用品として使われていた時代もありましたが、現在は活用方法はたばこ畑の肥料として廃棄されるのみ。

葉たばこの大きな葉を原料として煙草が生産されますが、ニコチンを含有しているため、葉を食用とすることはできません。

一方、大麻は種も茎も葉も花も、全て捨てるところが無いほどに活用方法がある植物。

麻布やしめ縄など、日本の文化を支えてきた麻は、繊維を採取するだけでなく薬用としても栽培されていたのです。

また、大麻の種は、麻の実として現在も七味唐辛子やヘンプシードオイル、鳥の餌など、身近なところで活用されています。

そして現在、医療大麻として世界でも認められつつあるのが大麻なのです。

ここからすでに大きな違いがあるのがわかるでしょう。

大麻は、日本が戦後GHQの占領下にあった時代、大麻草を規制するよう求められたことがきっかけで、後に大麻取締法で規制されることとなりました。ですが、当時の日本では大麻を規制するどころか、国で大麻栽培を全面的に奨励していたのです。

大麻草による問題が発生していたために規制されたのではなく、GHQからのお達しでそうせざるを得なかったわけで、なんとか大麻農家を守ろうという方向性で大麻取締法を制定したというのが実情なのです。

この時、GHQから規制指示されたのが大麻草でなく葉たばこなど他のものであったなら、大麻の歴史は大きく変わっていたことでしょう。

■大麻禁止の本当の理由|違法薬物となった歴史的経緯に隠された真実

大麻と煙草を比較|肺への影響

大麻と煙草が肺に与える影響

大麻と煙草を比較する際は、やはり喫煙による肺へのリスクが気になりますよね。

1985年から20年かけて行われた、大麻と煙草喫煙者を追跡した研究があります。これは、カリフォルニア大学サンフランシスコ校で行われたもので、その結果は驚くべきものでした。

煙草は吸った分だけ肺にダメージを与えるのに対して、大麻はある一定の量までは肺機能が低下するどころか、改善していたのです。そして、ある程度まで上がりきると、煙草よりずっと緩やかな曲線で低下していくといった結果だったのです。

煙草の喫煙は肺活量も低下させますが、大麻は使用するにつれて向上していくのです。

つまり、20年かけて行われた研究の結果、大麻と煙草の肺への影響としては圧倒的に煙草の害が大きく、大麻は肺機能を低下するような心配がない、ということがわかったのです。

それでも、やはり喫煙というのは気管支や呼吸器に影響が一切無いというわけではありませんので、そういった部分が弱っているような方には大麻の喫煙はおすすめできません。

■大麻は病気に効くの?悪のイメージとは裏腹な効果とは?

大麻と煙草を比較|メリット・デメリット

大麻と煙草比較~メリット・デメリット~

大麻と煙草をここまで比較してどのように感じられたでしょうか。

「煙草より大麻が安全そう、だけどやっぱり麻薬じゃないか」といった思いもあるのではないでしょうか。たしかに大麻は危険薬物として日本では「悪」として認識されている方がほとんどでしょう。

では、大麻と煙草のメリット・デメリットなども比較してみましょう。

煙草のメリット・デメリット

煙草喫煙は「百害あって一利なし」と良く言いますよね。実際、メリットと言えば、一時的なリラックス効果でしょうか。

肺や血管に悪影響を及ぼすため体にも悪く、周囲への受動喫煙も大きな社会問題となり、現在ではあちこちに多額の費用をかけて喫煙所が設けられています。

煙草はその6割が税金として徴収されていて、価格もどんどん値上がりしていますよね。

それでもやめられないというニーズがそこにはあるわけです。

煙草の大きなデメリットは依存性です。

煙草の依存性は非常に高く、体に悪くても、どんなに値上がりしてもやめられないわけですね。2001年から2005年にアメリカで実施された大規模な調査でも、

  • 煙草の依存性 67.5%
  • アルコールの依存性 22.7%
  • 大麻の依存性 8.9%

といった結果が出ています。さらに長期間の喫煙によって、ガン、心筋梗塞、脳卒中などになる確率も上昇します。

健康面でも、依存性の面でも煙草は大麻より悪いというのは決して間違った評価ではないような気がしてきますね。

大麻のメリット・デメリット

では次に大麻について見ていきましょう。

まず大前提として大麻は国際条約でも危険薬物とし指定されていますし、日本では大麻取締法によって規制されているもの。

大麻はハイになる薬物として認識している人が多いと思いますが、この精神的な作用をもたらすのはTHC(テトラヒドロカンナビノール)であることがわかっています。

この成分を摂取すると、

  • 多幸感
  • 陶酔
  • リラックス

などといった作用があり、許容量を超えて摂取すると

  • 幻覚幻聴
  • 被害妄想
  • パニック
  • 吐き気

などを引き起こすこともあります。

■大麻の副流煙が体や脳に及ぼす影響とは?ダメージは避けられない?

このTHCによる精神作用が大麻の最大のデメリットと言えるでしょう。

ですが、このTHCは危険性が高い成分ではあるものの、悪さをするだけではないことも近年の研究により明らかになってきています。

WHOの勧告により、2020年12月、大麻が「最も危険で医療用途がない物質」とされていた分類から「医学的な有用性は認められるが依存性が強く取り扱いに注意が必要な薬物」という分類への変更が決定しています。

これにより、世界的にも医学的な有用性が認められ、年々医療大麻を合法化する国も増えています。

悪い面もあるが良い面もある大麻を、現代の技術や医学でマイナス面を抑えプラス面を最大限生かす方向で、研究が進められているわけです。

大麻には、100種以上のカンナビノイドという成分のほか、植物化合物も含め400種以上の成分が含まれています。これらの多くの成分が混ざり合うことで、アントラージュ効果という相互作用を生み出すこともわかっています。

■アントラージュ効果って?期待するならこのCBDがおすすめ!

そのアントラージュ効果を最大限に生かすためには少量のTHC含有がプラスに働くこともあるのです。

大麻というのは自然の植物であり、人への作用は個々の体調や体格などによって適量も変わるのですが、適量を摂ることで、副作用は少なく、かつ辛い症状を抑えることも可能となるのです。

■大麻の効能って?医療用としての効果と人体の意外なメカニズム

大麻か煙草か

大麻と煙草の比較では大麻が優勢

大麻と煙草について、ここまでいろいろな面から比較してみました。

煙草は百害あって一利なし。ですが、日本では自動販売機で購入できるほどに身近な存在でもあり、もし未成年が吸っていたとしても補導はされるかもしれませんが、いきなり逮捕!ということにはならないでしょう。

一方、大麻の場合であれば、日本では所持しているだけで即逮捕。医療用としても今はまだ治験がやっと許されるといった程度です。

煙草と大麻を比較した内容とは全く裏腹な扱いの差が、大麻取締法が成立した経緯や、アメリカの不合理なマリファナ禁止といった歴史的背景によって操作されているものだとしたら、そろそろ見直す時期が来ているでしょう。

大麻を推奨するという目的はありませんが、「木を見て森を見ず」ではもったいない。全体像をしっかりと把握して、良いものを効率良く生かすことが何より重要ではないでしょうか。

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