マレーシアの大麻事情|あの規制の厳しい国と日本の現状比較
今回は同じくアジア圏に属するマレーシアの大麻事情について解説していきます。世界でもトップクラスとされる規制の厳しさと日本の現状を比較してみましょう。
目次
マレーシアで大麻の所持は死刑になる
最初に押さえておきたいのは、現状のマレーシアは200g以上の大麻を所持しているだけで死刑判決を受けるということです。実際のところ日本では懲役刑に処させることはあっても極刑が下ることは原則ありませんので、このポイントは大きな違いといえるでしょう。
また、外国人旅行者が現地で調達、あるいは持ち込んだ場合もマレーシアの法律に基づいて処されることとなり、実際に数年前は日本人が死刑判決を受けた事例もあります。
このことから、結論としてマレーシアの麻薬に対する取り締まりは日本より遥かに厳しく、まかり間違って現地で使用するのは、自身の命を危険にさらす犯罪行為といえるでしょう。もしも大麻や何かの売人がいたとしても、絶対に関わろうとはしてはいけません。
マレーシアの大麻事情
マレーシアは世界トップクラスの麻薬規制国であり、年間ベースでは約1,200人が死刑判決を受けていることが判明しています。もちろんその対象は国内の居住者のみならず諸外国からの観光客も含まれていることから、一歩間違えれば自分自身も例外ではなくなってしまう危険性があるのです。
そこでまずは、マレーシアにおける最新の大麻事情を解説していきますので、今後観光を検討している方は特にチェックしておきましょう。
少量であれば非犯罪扱いになる
意外に思われるかもしれませんが、現在のマレーシアでは200g未満の大麻所持に関しては非犯罪として扱われているため、日本における未成年の喫煙や自転車の飲酒運転のように、違法ではあっても罰則を与えられることはありません。したがって、従来は無期懲役、最悪の場合は死刑に該当していたことを考慮すればかなり緩和されたといえるでしょう。
ちなみにこの方針転換は、大麻から抽出されるオイルを医療目的で配布していた人物が死刑判決を受けそうになった際、患者を含む約7万人もの支持者が取り下げの嘆願書を提出したことがきっかけとされています。
しかし、マレーシア当局としては決して大麻を容認したわけではなく、あくまでも薬物依存者を治療すべき対象という認識に変えただけであることから、200g以上の所持者には変わらず極刑が下されています。
また、少量所持であっても密輸や売買に関しては従前と変わらない罰則が与えられるため、日本から1gでも大麻を持ち込むことは自殺行為といえるでしょう。
CBDの扱いは
大麻を使用した際に得られる多幸感やリラックス効果は、THC(テトラヒドロカンナビノール)という成分が引き起こすものであり、当然日本ではこれを固く禁じています。一方、茎の部分から抽出できるCBDには陶酔効果(いわゆるトリップ状態)がないことから日本においては完全に合法扱いとなっており、現在は嗜好品として楽しんでいる方も増加傾向です。
そしてこういった背景から、マレーシアにおいても合法というイメージが持たれがちですが、実際のところは大麻と同じように違法薬物として厳しく規制されており、CBDだからといって刑が軽くなるわけでもなく、200g以上は死刑対象に規定されているのです。
ちなみにこういった法規制はマレーシアに限ったことではなく、諸外国においては基本的にCBDと大麻は同じ違法薬物の類として認識されているため、通販や店舗で購入できる日本の市場に驚く外国人も多くなっています。
日本の罰則はマレーシアより軽い
ここまで解説した通り、罰則の内容に関して比較すると、死刑がないことから日本の大麻取締法は軽い内容といえるでしょう。もちろん大麻やTHCに関しては厳重に規制されていますが、罰則においては国家として死刑自体に否定的な傾向があることに起因しています。
一方、死刑が適用されるのはマレーシアに限ったことではなく、アジアの多くが同レベルの取り締まりを行っていることから、諸外国からみれば実は日本の方が珍しい存在という見え方もあるようです。
ただし、いくら刑が軽いとしても、それによる社会的信用の失墜や失った時間が戻ってくることはないため、やはり違法薬物に指定されている以上、絶対に法律に従うべきである点は変わりません。
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マレーシアにおける注意点とは
ここからは、マレーシアに出向く際に注意したいポイントについて見ていきましょう。日本とは違い、非常に刑罰が厳しく規定されているため、しっかり押さえて下さい。
CBD愛好家は要注意
まず注意したいのは日本で日常的にCBDを愛用している方でしょう。
先ほども解説した通り、THCを含んでいないとはいえマレーシアにおいてはCBDは大麻と同じく違法薬物に指定されていることから、普段の流れでポケットやカバンに常備していると罰則の対象となってしまいます。
そして、長旅に備えてリキッドを多めに持参している場合は特に危険であり、200gを超えていれば当然死刑の対象です。また、そもそもCBDは国境を越える際に税関にて厳重なチェックがなされる成分であるため、海外に行く際はまず持っていかないことが賢明な判断と言えるでしょう。
また、過去には薬物を携帯して入国した日本人女性が「何も知らずに運んだだけ」という主張(真偽は不明)をしましたが、数年に渡る裁判の末死刑が確定しています。
したがって、観光客だからといって情状酌量を受けられる期待は初めから持たず、徹底して現地の法律に従うようにしましょう。
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現地の麻薬犯罪に巻き込まれないようにする
慣習や言語の違いは海外旅行の醍醐味でもありますが、治安の悪い地域を観光する際は麻薬犯罪に巻き込まれないよう細心の注意を払いましょう。
これを読んでいる方は現地のブローカー・売人などと関わり売買することはもちろん避けるとは思いますが、知らない人に届け物を頼まれて善意で手伝ったところ、実は知らずのうちに大麻を運ばされてしまうといった可能性もゼロではありません。
また、自身は自覚のないうちに行ってしまったとしても、語学に堪能でなければそのこと自体を上手く伝えることはできず、元々取り締まりが厳しいこともあるため、極刑に処されてしまう危険性もあるでしょう。
マレーシア大麻規制は日本より厳しい
マレーシアでは日本より遥かに厳しい大麻規制を設けており、その対象は観光客も例外ではありません。したがって、通常の旅行を楽しむのは全く問題ありませんが、現地で大麻を購入、あるいは使用することは死刑にもなり得る行為ですので、絶対にやめましょう。
また、知らずのうちに麻薬犯罪に巻き込まれてしまったり、普段の感覚でCBDを持ち込もうとする可能性もあるため、本記事を参考に正しい知識を取り入れて、自身の身を守るようにして下さい。
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この記事を監修した人
CBD JAPAN 編集部
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