大麻の効能って?医療用としての効果と人体の意外なメカニズム
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2024年9月18日

大麻の効能って?医療用としての効果と人体の意外なメカニズム

CBDが注目されるようになり、大麻そのものにも以前より注目が集まっているのではないでしょうか。医療大麻解禁など、世界でも大麻にまつわる環境が大きく変わってきています。

医療大麻と聞いてもピンと来ない方も多いことでしょう。

こちらのページでは、知れば知るほど奥深い「大麻」について、その効果や医療面でのメリットなどについてご紹介します。

まだまだ研究の歴史が浅い大麻ですが、悪い面も良い面もしっかり理解した上で、身体にプラスになる良い効果を生かしていくことができるといいですね。

大麻の効果とは

大麻の効果

大麻というと危険薬物というイメージしかない方も多いことでしょう。日本では「危険」というアピールしかしていないため、そう考えるのも無理はありません。

では、大麻にはどういった効果があるのか、見ていきましょう。

大麻に効果なんてあるの?

大麻というのは太古から布、縄などを作る材料として使用されていましたが、万能薬として使われていたという歴史的事実もあります。

大麻が麻薬として世界的に規制されるようになるまでは、様々な病気治療にも重宝されていたのです。

例えば、1840年代には、大麻の樹脂から精製したハシシという成分を原料としたティンクチャーがヨーロッパ全土、アメリカでも販売されていました。このティンクチャーは鎮痛剤として特許も取得しています。

■大麻禁止の本当の理由|違法薬物となった歴史的経緯に隠された真実

大麻は世界中で危険薬物として認識されている植物ではありますが、悪い面ばかりではないのです。実際、大麻に含まれるCBDはハイになる成分も含まず、健康面でメリットがあるということで日本でも販売されています。

■CBDは違法で危険?大麻取締法の規制で逮捕されない?

古くから「万能薬」と言われていた大麻の効果を知るためにも、どんな症状に使われていたのか見てみましょう。

大麻は古くから

  • 神経痛・関節痛
  • 発熱
  • 黄疸
  • やけど
  • 頭痛
  • 外傷
  • 鎮静薬
  • けいれん
  • てんかん
  • 炎症性疾患

など非常に幅広く使用されていました。

その証拠に、1世紀には、中国の「神農本草経」という生薬について記した薬物学書や、1530年代にはイギリスの医師であり植物学者であったピエトロ・アンドレア・グレゴリオ・マッティオリの著書など、様々な形で大麻草の治療効果が記されています。

大麻成分のアントラージュ効果

大麻には、THC(テトラヒドロカンナビノール)という精神作用のある、いわゆる「ハイになる成分」とCBD(カンナビジオール)が多く含まれています。

THCやCBDというのは、大麻に含まれる100種以上あるカンナビノイドの一種。

■CBDとTHC|大麻成分の合法違法を分けるのはココ

大麻には、このカンナビノイド以外にも、多くの活性化合物が含まれていて、その総数は400種以上あると言われています。

大麻全草から抽出した、これらのカンナビノイドやその他の化合物全てを含むものをフルスペクトラムと言います。限りなく自然の大麻に近い成分を含むものですね。

これらの成分をそのまま摂取すると、各成分が相乗的に働く「アントラージュ効果」をもたらす事がわかっています。

THC単体、CBD単体で摂取するより、複数のカンナビノイドを一緒に摂取する方が、増幅した効果を得られるのです。

■アントラージュ効果って?期待するならこのCBDがおすすめ!

THC単体でも、CBD単体でもそれほど大きな効果がなくても、フルスペクトラムの大麻なら効果が現れる症状もあり、現在はそれぞれのカンナビノイドの効果やアントラージュ効果について、世界で研究が進められているところです。

大麻の効果といっても、これまでは世界でも法律的な厳しい縛りがあったため、研究や検証は不十分、まだまだわからないことは多いのです。

医療用途での大麻の効果とは

医療用途での大麻の効果

これまで歴史的に大麻が使われていた際の用途等についてご紹介しましたが、今注目の医療大麻についても見てみましょう。

現代の医療大麻の適応疾患というと、

  • がん
  • 神経痛
  • てんかん
  • アルツハイマー型認知症
  • HIV感染
  • 炎症性腸疾患
  • 多発性硬化症
  • 筋萎縮性側索硬化症
  • パーキンソン病
  • PTSD
  • 線維筋痛症
  • 吐き気

など様々な疾患が挙げられています。

大麻合法化でも著名な、トッドミクリヤ博士の「医療大麻適応疾患リスト」と言われるものがあるのですが、そのリストには250以上の疾患が記載されています。

そのリストの一例として

  • 糖尿病
  • 拒食症
  • 不安
  • ADHD
  • 骨そしょう症
  • トゥレット障害
  • ぜんそく
  • 筋ジストロフィー
  • 睡眠時無呼吸障害
  • 頭痛
  • 不眠症
  • 湿疹
  • 関節リウマチ
  • 緑内障

などがあり、私達にとってごく身近な症状や疾患も多く見られます。

トッド・ミクリヤ博士(1933~2007)というのは、カリフォルニア州の医療大麻合法化において重要な役割を果たした医師で、医療大麻適応疾患リストは自身の治療経験などを基に作成されたリストなのです。

大麻の効果とメカニズム「エンドカンナビノイド・システム」

大麻の効果を左右するエンドカンナビノイド・システム

大麻の様々な効果を見ていると、全身のあらゆる部位に影響するものだということがわかります。

なぜこのように様々な症状に効果を発揮するのか、不思議に思いませんか。

これは、人の身体に備わっているエンドカンナビノイド・システム(ECS)と大麻との関係性に秘密があります。

エンドカンナビノイド・システムという言葉には馴染みがないことでしょう。これは、意外にも大麻を研究する中で発見された体内の仕組み。

人の体内では、実は大麻に含まれるものとよく似た成分が生成されていて、それを内因性カンナビノイドと呼びます。人の体内に大麻に似た成分が作られているなんて、これもまた意外ですよね。

その内因性カンナビノイドをキャッチする受容体が体内に存在しているということが判明、さらにはその成分を分解する酵素も見つかったのです。

  • 内因性カンナビノイド
  • 内因性カンナビノイドの受容体
  • 内因性カンナビノイドを生成・分解する酵素

この3つの要素を合わせてエンドカンナビノイド・システムと言います。1990年代に大麻について研究する中で発見されています。

私たちの身体には、エンドカンナビノイド・システムによって、大麻に含まれるカンナビノイドを受容体で受け取り、酵素で生成や分解、それらの成分が細胞レベルで影響する、という仕組みが元々あるのです。しかもその受容体は頭からつま先まで、脳にも内臓にも皮膚にも血管にも、身体中あちこちにあり、体全体のバランスを保っているのです。

この受容体の状態が悪かったり、カンナビノイドが減少したりすると体調にも悪影響を及ぼすことがわかっています。

このエンドカンナビノイド・システムに欠かせない、内因性カンナビノイドと似た成分だからこそ、大麻というのはあらゆる症状の緩和に効果を発揮できるわけです。

人類が初めて栽培した植物でもある大麻が、このように人間の身体のメカニズムと合致すると聞くと、生命の神秘のようなものを感じませんか。

大麻は日本では違法ですし、世界でも危険性のある薬物に指定されています。

これまでは、違法薬物として大麻のマイナス面を中心に研究が行われていましたが、大麻の分類で医療用としての役割も認められたことから、今後はポジティブな効果についての研究が進められることでしょう。

日本でも、必要な場面で必要な薬が届くように、研究や理解が進んでいくといいですね。

この記事を監修した人

CBD JAPAN 編集部

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