大麻は神の象徴だった?日本人と大麻の古くて深い関係(第3回)
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2021年9月17日

大麻は神の象徴だった?日本人と大麻の古くて深い関係(第3回)

現在の日本では、「危険な薬物」というイメージの強い大麻。

実は、日本の歴史を遡ると、神の象徴として神社や日本の国技である相撲など、様々なところで使用されていました。

今回のコラムでは、神の象徴とされていた歴史に焦点を当てて、『大麻入門(幻冬舎、著:長吉秀夫)』から一部内容を抜粋してご紹介します。

現在も神社で使われている「大麻」

大麻が神道の中で神の象徴であるという例の一つに、伊勢神宮のお札がある。このお札は「神宮大麻」という名で、現在は紙のお札であるが、その昔は大麻草が使用されていた

大正五年に神宮奉斎会本部が発行した『神宮大麻と国民性』によると、「大麻は之を仰ぎ崇敬の念を致すべき御神徳の標章」であるとされている。また、家庭においても大麻を奉安し、朝夕家族で拝むことは、子供たちの教育上も多大な効果があるとしている。

大麻を神棚に安置し、家族で拝するとは、現在では信じられない光景である。

大麻入門

汚れを拭い去る力を持つと言われていた

当時、神事の中で大麻を吸引していたか否かは定かではないが、基本的に神道における大麻の使用は、その美しい繊維の束を棒の先にくくりつけ、参拝する者の頭上や特定の場所などの穢れを祓う大麻や御幣であったり、聖域を囲む結界のための麻紐であったり、注連縄や神殿に吊るしてある鈴の縄として、現在も使用されている。

神道では、「清浄」を重視しており、大麻は穢れを拭い去る力を持つ繊維とされている。

祭りや祓えの神事のたびに捧げられる大麻や御幣は、人間が犯した罪や穢れを祓い清めてもらうための神の衣なのだ。大麻が捧げられ、祭りや神事がおこなわれることによって、神は大麻の衣に人間の罪や穢れを付着させて、浄化してくれるのである。

そして、汗や汚れなどを吸収してくれる清らかな大麻繊維は、人間にとっても身体を清潔に保つだけではなく、病気や災いからも守ってくれると考えられている。

横綱力士にのみ許される、神聖な白綱にも使用される

相撲の横綱力士の綱も、神社の注連縄同様に約12キログラムの大麻が使用されている

日本の国技である相撲は、現在ではスポーツとして捉えられているが、本来は神に捧げる行為であり、国の平安を願う神事であった。

力強く踏み鳴らす四股は、大地を浄化し平穏をもたらす。鍛え上げられた肉体同士のぶつかりは、神の偉大さや超越した力への尊敬の証しだ。そして、人間の力で上り詰めた最高位である大関を超えた者だけが、神技を持つ「横綱」と呼ばれるようになる。

横綱とは、もはや人間を超えた者に与えられた称号であり、その者だけが着けることが許される注連縄の名称なのだ。

横綱は、銅線の芯が入った大麻繊維の束に、晒し木綿を固く巻いた3本の綱でできている。この3本の綱を、部屋一門の力士たちが力を込めて左巻きに縒り上げる。そうすることで、土俵入りの際に見ることができる、あの白色の横綱ができ上がるのである。横綱は注連縄同様に霊力を宿している。そして、これを巻いた横綱力士は神と一体化した存在であり、その土俵入りは、神事そのものなのだ。

大麻規制の目的は「大和魂の破壊」?

日本の仏教はインド伝来のヒンドゥ教の影響も強く受けている。例えば、シヴァ神は大黒天、ブラフマー神は梵天となって、日本でも深く信仰の対象となっている。インドからもたびたび日本へ僧侶が訪れていたようであり、彼らは神事の中で大麻を使用していたと考えられる。


和歌山県那智勝浦町の那智山青岸渡寺は、神仏習合の時代には那智の滝で有名な那智大社と一対を成していた寺であるが、この寺の縁起には興味深いエピソードが記されている。

宗教的にも文化的にも大麻と深い結びつきのある日本人や天皇家

紀元4世紀頃、インドからやって来た僧「裸形上人」が、那智の滝で苦行をおこなった暁に、滝壺から八寸の観音菩薩をすくい上げ祀ったのがこの寺の始まりといわれている。

裸形上人とはヒンドゥ教の苦行僧、サドゥーのことであろう。サドゥーは大麻を吸い、神と一体となる。彼らの宗教儀礼はそのまま、日本の密教の中に取り入れられていったと考えられる。

お釈迦様自身も、長い苦行の最後の6年間を麻の実と麦の粥だけで過ごし、その後、スジャータという名の娘から貰った乳粥を飲み、菩提樹の下で覚醒し、仏陀になったのだ。

このように、宗教的にも文化的にも日本人や天皇家と大麻は深い結びつきがある。大和魂とは大麻そのものをさすという説もある。

日本の仏教や神道や様々な祭りや伝統の中にも、大麻は深く関わっているのだ。

一説によると、GHQが大麻規制のメモランダムを発行した背景には、大日本帝国の根幹である国家神道と大麻の関連性を重視し、精神的に日本人を矯正しようという考えがあったともいわれている。

軍国主義的なナショナリズムは歓迎しないが、そのような話を聞くと、日本人と日本文化を再認識するために、大麻についてもう一度見つめ直してみたくなる。

国内外の大麻草の真実を知れる本、『大麻入門』

有名俳優の逮捕などによって、注目を集めている「大麻」。

現在の日本では「危険な薬物」というイメージが強いですが、ヨーロッパをはじめ先進各国では、レクリエーション目的のみならず、エネルギー、環境問題などさまざまな分野で、その有用性が認められています。

大麻とはそもそも何なのか?

どんな可能性を秘めているのか?

今回の内容は、そういった大麻のすべてがわかる『大麻入門』(幻冬舎、著:長吉秀夫)からご紹介しています。

あらすじ・概要

戦後、GHQ主導による新憲法の下で初めて規制された大麻は、遥か太古から、衣食住はもちろん医療や建築、神事など、日本人の生活になくてはならないものだった。1948年に施行された大麻取締法は、当時の政府が大麻産業を奨励していたためか、立法目的が明記されないまま現在に至っている。一方で、欧米諸国では所持・使用の非犯罪化が進み、医療やバイオ・エネルギーなど様々な分野での研究が盛んだ。国内外の知られざる大麻草の真実とは?

著者:長吉秀夫
出版社:幻冬舎

大麻入門、著長吉秀夫の表紙

購入ページはコチラ。(幻冬社サイトページへのリンクになります。)
https://www.gentosha.jp/store/ebook/detail/2514

この記事を監修した人

CBD JAPAN 編集部

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