ヘンプ素材の服って?特徴からメリット・デメリットまでまるわかり
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2023年8月7日

ヘンプ素材の服って?特徴からメリット・デメリットまでまるわかり

ヘンプというと、大麻や麻薬といったイメージで、服の素材だとしても不安や抵抗を感じる方もいるでしょう。ですが、そんなイメージとは裏腹に、ヘンプは人々にも地球にも優しく、安全性の高い素材なのです。

こちらのページでは、ヘンプという素材の特徴からメリット・デメリットも含め、ヘンプ素材を使った衣類の魅力を詳しくお伝えします。

ヘンプ素材の服って?麻とは違うの?

ヘンプ素材の服って?麻とは違うの?

夏になると多く出回る麻素材の服。爽やかな肌触りで心地良いですよね。

馴染み深い「麻」素材と「ヘンプ」はどう違うのでしょうか。

どちらも「麻」に分類されるもののように思いますが、実は家庭用品品質表示法によって「麻」と表示できるのは、リネン(亜麻)とラミー(苧麻)の素材を使ったものに限定されています。

ヘンプは日本語で大麻のこと。当然麻の一種なのですが、この法律によって、衣類などの素材としては「麻」ではなく「ヘンプ」と表示されるのです。

名称 種別 素材表示
リネン 亜麻(あま) アマ科
ラミー 苧麻(ちょま) イラクサ科
ヘンプ 大麻 アサ科 ヘンプ

麻の種類は20種類近くあるのですが、衣類等の素材として「麻」と表示できるのは、リネンとラミーの2種類だけ、ヘンプは別物、ということになります。

ヘンプ素材の特徴

ヘンプ素材の特徴

続いて、ヘンプ素材の服にはどういった特徴があるのか、詳しく見ていきましょう。

吸湿性・速乾性

ヘンプ素材の繊維は、細かい穴がたくさんある多孔構造で、水分を素早く吸収・拡散・蒸発させてくれます。いつでも肌触りがよく、夏のべたっとした不快感を解消しやすい素材です。

耐久性

ヘンプ素材は、同じ麻でも、リネンやラミーより高い耐久性を持っています。

乾いた状態でも強度があるのですが、湿気を帯びるとさらに強くなるという一面も持っています。また、綿素材と比較しても引っ張り強度はその8倍とも言われています。ロープやしめ縄に使われる素材というのも納得ですね。

抗菌性・消臭対策

繊維製品の抗菌性については、JIS L 1902(ISO 20743)という日本産業規定により、その基準が決められています。

JIS L 1902(ISO 20743)の基準では、

  • 抗菌効果が認められるもの → 抗菌活性値2.0以上3.0未満
  • 強い抗菌効果が認められるもの → 抗菌活性値3.0以上

と規定されています。

この規定は主に、衣類等の「抗菌加工効果」を評価するための数値なのですが、天然のヘンプの抗菌性は、3.0以上を超えると言われています。

天然素材なので、素材ごとに誤差が出ることもあるのですが、天然素材としてこのような抗菌性のある繊維は他にありません。

抗菌性が高く、ニオイの元となる雑菌も抑制することから、ニオイ対策にも有効です。

UVケア

ヘンプ素材は、UVケアにも役立ちます。その紫外線防止率は90%以上とも言われています。

UV対策としてシルク素材なども注目されていますが、ヘンプは絹よりもUVカット率が高く、同じ麻であるリネンやラミーとは比較にならないほど。

また、ヘンプは繊維自体が紫外線に強いので、屋外で使用しても劣化しにくいのです。

ヘンプ素材の服のメリット・デメリット

ヘンプ素材の服のメリット・デメリット

ここまでヘンプとは何か、その特徴について解説しましたが、ここからは、ヘンプ素材の服のメリットやデメリットについて見ていきましょう。

ヘンプ素材の服のメリット

まずは、ヘンプ素材の服のメリットから紹介します。

一年中使用できる

吸水性・速乾性に優れているおかげで湿度・温度調整がしやすく、夏は涼しさを、冬は温もりを感じられます。また、耐久性もあり長く使えるのも嬉しいメリットです。

肌触りの軽やかさ

ヘンプ素材の服はさらっとした感触で、高温多湿の日本にはうってつけの素材。繊維の硬さが生み出す独特の肌触りが特徴です。見た目にも軽やかで、清潔かつ爽やかな印象を与えてくれます。

使うたびになじむ

ヘンプ素材の服は、着用・洗濯を繰り返す度に、柔らかさを帯びていきます。繊維自体は強くしっかりしていますが、程よく力が抜けて体にフィットしていくイメージです。使うほどに魅力が増すのは、丈夫な天然素材ならではの魅力ですね。

環境に優しい

ヘンプ素材の服はよく「環境に優しい」と言われますが、それには以下のような理由があります。

①農薬・化学肥料を使わずにすくすく育つ

ヘンプは害虫に強く、農薬は化学肥料に頼らずとも丈夫に育ちます。

農薬を大量に使うコットン栽培は、生産者の健康被害とその土地の汚染が問題になっていますが、そういった点でもヘンプ栽培は、地球にも人にも優しい繊維なのです。

②痩せた土地でも育ち、土の性質を変える

ヘンプはどのような土地でも栽培しやすい植物。農作物を育てるのに向かないような痩せた土地でもヘンプはしっかりと育ち、根を広範囲に張り巡らせ、土壌改良にも役立ちます。成長も早く、低コストで栽培できるのもメリットです。

③余すところなく使い道のある植物

ヘンプは「捨てるところが無い」と言われるほど、まるごと活用できる植物です。

  • 茎の繊維部分:衣服、紙や断熱材
  • 茎の中心部分:建築材料、家畜の敷料
  • 種:食品、食用油など
  • 葉:医療品、肥料
  • 穂:神道儀式、医療品
  • 根:土壌改良

ヘンプ素材にはこれらの利用用途があり、循環型植物としても注目されているのです。

このように環境に優しいヘンプ素材で長持ちする服を作れるのですから、環境に優しいというのも納得ですね。

ヘンプ素材の服のデメリット

メリットの多いヘンプ素材の服ですが、デメリットは無いのでしょうか。詳しく見ていきましょう。

生地にするまでの手間が掛かる

ヘンプはどこでも育つ、栽培に手間の掛からない植物ですが、繊維自体に太さや長さのばらつきがあるため、糸にするのが非常に難しいのです。

また、ヘンプは繊維が荒く硬いため、糸ネップという繊維の塊ができたり、糸の太さが不規則になってしまったり、加工には手間暇だけでなく高い技術が必要となります。

生地にするまでの手間が必要ということはコストも掛かります。これは価格が高くなるというデメリットに繋がります。

シワになりやすい

ヘンプ素材の服は、新しいものほど硬さが残り、シワになりやすいのがデメリットです。麻素材にありがちなデメリットですね。気になる方は洗濯後に脱水は軽めにしてよくシワを伸ばして干すか、完全に乾いてしまう前にアイロンをしてシワ対策をすると良いでしょう。

色落ちしやすい

繊維自体の汚れが落ちやすいということは、そもそも色が入りにくいということでもあります。特に、濃い色合いで着色されているヘンプの服は単独で洗い、他の洋服への色移りに気を付けましょう。直射日光は偏食や色むらの原因になるため、裏返しにするか、もしくは日陰で干すようにします。

リラックスタイムにも最適なヘンプ素材の服

リラックスタイムにも最適なヘンプ素材の服

ここまで見てきたように、ヘンプは非常にエコな素材で、衣類としての機能性が高いのが特徴です。

蒸れずに快適、紫外線対策や抗菌性もある天然繊維としては、ダントツの実力を誇ります。

ヘンプ素材の服はとても丈夫で、着るほどに生地が肌に馴染んでいきます。その質感を楽しみながら長く愛用できるというのも大きな魅力ですね。

もちろん、赤ちゃんや小さなお子様の衣類としても、安全で優秀な素材です。ヘンプ素材の寝具などもあるのでチェックしてみてください。デザイン的にもシンプルなものが多く、プレゼントとしても喜ばれるでしょう。

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