CBDビジネスのこれから|日本で乗り越えるべきハードルとは
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2021年12月4日

CBDビジネスのこれから|日本で乗り越えるべきハードルとは

日本でも、CBDショップやCBDカフェなど、街でCBDに触れる機会が増えています。

個人事業主から大手企業まで、CBD市場への参入も年々増加、勢いを増しており、これから参入を検討している方も少なくないでしょう。

海外では大きく拡大を続けているCBDビジネス。大きく後れを取る日本では今後どうなっていくのか、日本におけるCBDビジネスの現況や今後の展望が気になるところです。

先日、日本CBD協会の代表・川満隆夫氏にお時間を頂き、お話を伺いましたので、そのインタビュー内容を踏まえて、CBDビジネスの現況から今後の課題についてまとめました。

日本CBD協会は2014年に初めて日本にCBDを輸入したことでも知られています。

日本のCBDビジネスを健全に拡大していくためにも、現況や課題について、一緒に考えていきましょう。

【CBDビジネス】アメリカの現状

【CBDビジネス】アメリカの現況

日本CBD協会代表・川満氏によると、日本のCBDビジネスを語る上で、アメリカのCBDビジネスの急成長を背景とした、その現況を把握することも大事、とのこと。

アメリカでは、ゴールドラッシュならぬ「グリーンラッシュ」と言える状況で、多くの企業が参入、中にはコンプライアンスを無視したCBD事業者も多く出現したそうです。

急速に拡大するマーケットの中で、正しい表示のされないもの、THCを含むものなど、問題のあるCBD製品も多く出回ったのです。

川満氏によると、この事態を重く見たアメリカの食品医薬局(FDA)がCBD製品を調査したところ、

  • 正しい表示をしているCBD製品は全体の30%のみ
  • 20%のCBD製品に違法成分のTHCが混入

といった事実が明らかになったそうです。

こうしたことから、社会的にコンプライアンス遵守のCBD企業が評価されるようになり、コンプライアンス無視の企業は締め出されることになっていったわけです。

この流れは、実は日本に影響しています。

このアメリカのコンプライアンス無視のCBD事業者が、アメリカ国内で売れなくなった原料を、一旦イメージの良い外国に輸出、その国を原産地として日本に輸出するといった動きが出てきたのです。

言わば、産地偽装のような形ですね。

これらの原料は、重金属等の混入があるもの、THCを含むものなどもあり、安全とは言い切れないのです。

【CBDビジネス】日本の現況

【CBDビジネス】日本の現況

こうした、アメリカのグリーンラッシュによる日本への影響を踏まえ、日本の事業者としても対策が必須となっています。

日本でも、CBDが一般に広く知られるようになり、多くの事業者が参入しており、その質も様々。

中には、虚偽の表示や、誤った情報を配信するCBD事業者なども散見され、CBDの信頼性を損なうことにもなりかねない状況が広がっています。

一気にCBD市場が拡大していく中で、アメリカのCBD事業拡大初期のような状況が日本でも見られているわけですが、これは徐々に改善されていくでしょう、というのが川満氏の見解です。

改善されていく流れの一因として、上場企業や大手企業のCBDビジネス参入等も影響します。

CBDは大麻の1成分であることからも、これまでは大手よりは個人事業で参入するケースが多かったのですが、WHOのCBDに対する見解や、超党派の国会議員による「カンナビジオール(CBD)の活用を考える議員連盟」発足などを踏まえ、上場企業や大手企業も参入できる基盤ができてきたとのこと。

■WHOの大麻・CBDへの見解|医薬的価値の見直しのきっかけになるか■

上場企業や大手企業が参入することで、無責任な情報や誤った情報が淘汰されていくことも期待できるでしょう。

また、CBD輸入時の、麻薬取締局による検査や税関チェックなども以前よりさらに厳しくなっているとのこと。分析機械を多数導入し、かなりの頻度で抜き取り検査を行っているそうです。

川満氏によれば、現在は玉石混交の日本のCBD市場も、だんだんに正常化されていくのではないか、とのことでした。

日本のCBDビジネスにおける重要課題

日本のCBDビジネスにおける重要課題

川満氏が代表を務める日本CBD協会では「消費者の安全安心を守るべき」といったことを大前提に、

  • 正しい情報発信
  • 消費者が良かったと思える商品づくり

をCBDビジネスの最大の課題としているとのこと。

この課題の対策として、日本CBD協会では現在、薬学部大学の教授やドクターと共に学会の立ち上げを準備中。

この学会設立で、どういった基準でCBD製品を選ぶべきか、分かりやすい「ものさし」を示すことで、消費者の安全性を守っていきたいとのことです。

現在CBD製品には、安全性の基準など目安となるものが無く、一般消費者にはわかりにくい部分も多いため、一定の基準ができればCBD製品の選別もしやすくなるはず。

川満氏は、今後CBD市場を成長させていくためにも、正しい情報発信はもちろん、消費者の教育も重要、特に儲けのための教育ではなく、科学的視点でのCBD教育が欠かせない、とおっしゃっていました。

CBDに限ったことではありませんが、正しい情報を知ってもらうこと、これがCBDビジネス拡大のためにも、とても重要なことなのです。

CBDビジネスを始める際の注意ポイント

CBDビジネスを始める際の注意ポイント

大麻の成熟した茎から採取されたCBDは日本でも法に触れることはないのですが、海外からの輸入にも注意が必要です。

CBD抽出目的での大麻栽培は日本で禁止されていますので、CBD原料は海外からの輸入に頼るしかありません。

ですが、海外の情報は不正確であることも十分に考えられますので、安易に海外の情報を信頼しない、ということも大事です。

川満氏によれば、原料に付いている分析結果も、中には原料メーカーと馴れ合いの分析機関が発行、書き換えられるようなケースもあると言います。

日本CBD協会では、そうした危険性も踏まえ仕入れ先を厳選。現在では医薬品CBD原料を作るためのライセンスを持つ、ヨーロッパのCBD原料メーカーからの仕入れをしています。

国内でも、さらに二重三重の分析を行い、日本で完全に安全な原料であると断定できるものを使用してるとのこと。

CBDは大麻由来の成分。輸入したCBD原料やCBD製品にTHCなど違法性のある成分が含まれていれば、大麻取締法により罰則が科せられます。

輸入時には、安易な個人輸入でリスクを負うことは極力避けたいですね。

CBDビジネスに今後必要な要素とは

CBDビジネスに今後必要な要素とは

日本でも様々なCBD関連の事業が展開されており、ブランドとして確立されているものもあります。

これからも、CBDビジネスは日本でもさらに加速していくものと思われますが、その中で安定して事業を継続していくためには、

  • 差別化
  • ブランド化
  • ストーリー性
  • 消費者にとってのサプライズ的要素

といった戦略も必要となると川満氏は言います。

現在でもオーガニックにこだわった製品や、CBD以外のカンナビノイドを配合した製品などがあります。単純にCBDを売るというだけでなく、差別化できるオリジナリティのある要素も欠かせなくなっていくでしょう。

今後、上場企業や大手企業の参入が増えてくれば、独自性の無いCBD製品は価格競争で負けてしまう可能性もあります。

消費者のニーズや安全性を第一に、質の良いCBD製品を届けられる、まっとうなCBDビジネスが今後の市場を支えていくこととなるはず。そこには正しい情報発信も欠かせないですね。

この記事を監修した人

CBD JAPAN 編集部

CBD JAPANは2021年10月に設立された企業で、「心身の本来の力を引き出し、健康で明るい社会を作る」というミッションを掲げています。コラムは全て下記の監修者のもとで、コンテンツ制作ポリシーに従い制作しております。

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