【令和4年6月】タイの大麻事情|一部合法化と日本人への規制対応【最新情報】
一方、2021年2月に違法薬物として知られている大麻の医療的な規制緩和が行われたことをご存じでしょうか。
そこで今回は、現在のタイはどのような大麻事情になっているのかを解説していきます。
※令和4年6月11日、追記しました。
目次
(2022年6月追記)規制緩和により所持・栽培可能に
タイは6月9日から、大麻を麻薬指定から除外し、所持したり栽培したりすることを認めました。
対象となるのは、向精神作用があるテトラヒドロカンナビノール(THC)の含有率が0.2%以下の大麻で、所持・販売は合法化されましたが、娯楽目的の大麻使用や自宅以外での吸引は引き続き違法となるので、注意しましょう。
本記事の情報は2021年8月時点での内容となります。
タイの大麻事情は完全に合法というわけではない
まず結論として、タイは大幅な規制緩和が行われたといっても、肝心の用途は医療目的に限られており、処方される大麻もジョイント等ではなく、THC(テトラヒドロカンナビノール)やCBD(カンナビジオール)といった有効成分のみを抽出したオイルがメインとなっています。
そのため、煙を吸引するような一般的なイメージとは異なる形態となっており、内容量も調整されているため、いわゆるイメージ通りのトリップするようなこともありません。
また、外国人でもクリニックで処方してもらえますが、乾燥大麻の所持、使用、そして栽培については依然として厳しく取り締まられていることから、完全合法化されているという認識でツーリズムに繰り出すのは大変危険といえるでしょう。
(令和4年6月11日追記)
本記事の冒頭に記載の通り、6月9日より規制が緩和され、大麻の所持・栽培が合法となりました。
(追記ここまで)
一方、現在はレストランやコンビニ等で通常商品と同じように大麻食品が販売されているため、「トリップ効果のないCBDが用いられている」製品に限っていえば、日本の大麻取締法を気にすることなく、安全に楽しむことが可能です。
したがって、大麻を求めてタイに出向く場合は、主要成分のTHCが含まれていない製品を選ぶようにして下さい。
タイの大麻事情について
ここからは、タイにおける大麻事情を詳しく解説していきます。
これまでは日本と同様に薬物を厳しく取り締まってきたことから、今回の規制緩和によってどのように変化し、何が違法とされているのかを正しく判断して下さい。
医療用途自体は2018年からスタートしていた
実は大麻の医療利用は最近始まったことではなく、2018年の時点から徐々にスタートしていました。
ただし、その際は人間の脳に作用しないCBDのみを含有した医薬品に限られていたため、実質的には日本とさして変わらない状況であったといえるでしょう。
しかし、2021年2月の規制緩和によって精神作用(いわゆるトリップ)のあるTHCの使用も認可されたことで、従来の様相を大きく変えたのです。
大麻ビジネスの急増
大麻の規制緩和を受けて、タイで活動する多くの企業はビジネス参入に乗り出しており、大麻食品やドリンク、そして官民一体の医療大麻ツアー等も活発化しつつあります。
実際のところ新型コロナウィルスの拡大によって、観光収入が大幅に減少していたことから、その経済効果は決して小さなものではなく、ある種国策として取り組んでいる側面もあるでしょう。
ちなみに合法化が活発となっている欧米諸国では、大麻成分を含んだ健康食品を目玉にしているリゾート施設も増加しており、今後タイにおいても同様のビジネスモデルが確立するかもしれません。
依然として乾燥大麻は違法
ここまで解説した通り、現在のタイではクリニック等で大麻成分入りの製品が入手できます。
しかし許可されているのはあくまでも医療用途に限られており、もし乾燥大麻を所持、あるいは栽培した場合は5年以下の懲役及び10万タイバーツ(約30万円)の罰金刑に処されることになるのです。
(令和4年6月11日追記)
本記事の冒頭に記載の通り、6月9日より規制が緩和され、大麻の所持・栽培が合法となりました。
(追記ここまで)
また、たとえ医療大麻であったとしても10kg以上所持していれば同じく罰則を受けるため、完全合法化されていると思って安易に売人から購入するのは絶対に控えるべきでしょう。
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タイで流通している大麻とは
ここからは、タイで流通している大麻にどんなものがあるかを見ていきましょう。
中には日本でも完全に合法化されているCBD製品もあるため、旅行を検討している方は是非参考にして下さい。
大麻成分オイル
現在クリニック等で処方されているのは、THCかCBDのみ、あるいは両方を混合したオイルとなっており、うつ症状や不眠症を抱えている患者に処方されるのが一般的です。
また、ステージ3~4に分類されるガン患者にも広く活用されていることから、もはやタイの医療現場においては欠かすことのできない治療方法といっても過言ではないでしょう。
ちなみにこれらはアロマとして吸引するのが主流であり、過度なトリップを引き起こさないように分量が調整されています。
CBD入りドリンク
現在タイでは大麻成分を入れたドリンクについても人気があり、コンビニやドラッグストアでCBD飲料が通常製品のように販売されています。
また、CBDはトリップ効果を持っていないことから、日本でも合法とされており、もちろんタイでも安全に楽しむことができるでしょう。
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大麻食品
大麻入り食品はレストランやクリニックでも販売しているケースがあり、トムヤムクンのハーブや、グリーンカレーのアクセントとして利用されています。
ちなみにそちらもTHC成分が最低限且つ、正式な免許を保持している機関が提供しているものであるため、通常の出店で万が一勧められた場合は絶対に食べないようにして下さい。
タイ旅行における注意点
ここからは、タイ旅行における注意点を見ていきましょう。
現在は大幅に規制が緩和されているとはいえ、嗜好品として利用すれば即刻逮捕されて数年間懲役刑に処されることになっています。
そのため、大麻に対して正しい認識を持つことが重要です。
売人からは絶対に購入しない
タイは大麻が合法という大雑把な認識を持っていると、売人からそそのかされて乾燥大麻を購入してしまう可能性もあるでしょう。
しかし、現地の法規制は依然として乾燥大麻の使用や所持を厳しく取り締まっていることに加えて、大使館のホームページにて明確に注意喚起もされています。
そのため、基本的に売人が販売しているものは、日本と同じく例外なしに違法というイメージで問題ありません。絶対に控えるべきでしょう。
外国人でも医療大麻は手に入る
現地のクリニックでは、外国人に対しても医療大麻を処方しているケースがありますが、その際はCBDのみを含有した製品を使用するようにしましょう。
タイ国内では合法であっても、日本の大麻取締法においてはトリップ作用のあるTHCは当然違法とされており、海外でもその法規制は適用されてしまいます。
そのため、現地で大麻を使用する場合はしっかり内容成分を確認するようにして下さい。
■WHOの大麻・CBDへの見解|医薬的価値の見直しのきっかけになるか■
タイで乾燥大麻を使用することはできない
タイでは2021年2月をもって本格的に医療用大麻が解禁されており、クリニックはもちろん、官民一体となって観光事業に取り入れる動きが見られています。
一方、一見すると完全に合法化されているイメージを持ってしまいがちですが、ジョイントやパイプを利用して煙を吸引することは厳しく取り締まられており、最悪の場合は現地で数年間懲役に服する可能性もあるのです。
そして、詳しい大麻事情を知らない観光客に対して売人が大麻を売りつけてくるケースもゼロではありませんので、今後タイ旅行を検討している方は、本記事を参考にしっかり自己防衛をしていきましょう。
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この記事を監修した人
CBD JAPAN 編集部
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