【24年4月最新】ニュージーランドの大麻規制状況を解説!医療用・嗜好用の状況は?【国民投票?!】
本記事では、その詳細な規制内容と罰則、さらに大麻の合法化がもたらす影響について解説します。
目次
ニュージーランドの大麻法規制
医療用大麻の合法化
ニュージーランドは、2017年12月に改正薬物乱用法を制定したことにより、医療大麻が合法となり、医療用大麻を国として推し進めていく土台が整いました。
そして、2020年4月には、医療用大麻計画(Medicinal Cannabis Scheme)が制定され、医療大麻の品質基準や実際の製造ルールが固まりました。
ニュージーランドにおける医療用大麻の合法化は、末期疾患や慢性的な痛みを抱える患者にとって、大きな希望となりました。
しかし、この合法化は嗜好用大麻には適用されず、依然として違法です。
嗜好用大麻の規制
前述の通り、ニュージーランドでは、嗜好用大麻の所持や使用は違法です。
法令としては、1975年に制定された「薬物の乱用に関する法律」に基づき、個人の所持や使用、譲渡は禁止。
この法律に違反する行為には、罰則が設けられており、実刑判決や罰金の対象となります。
(罰則の詳細は後述。)
ニュージーランドでも、嗜好用大麻の所持や使用が違法である理由の一つに、薬物乱用や健康への悪影響が挙げられ、また、大麻の使用が犯罪行為や社会的な問題を引き起こす可能性が主に考慮されているようです。
罰則の詳細
大麻の所持や使用に対する罰則の詳細は、下記。
これらの罰則は、大麻の量や使用目的に応じて異なる場合がありますが、一般的には下記のいずれか、もしくは両方の罰則が課されます。
・実刑判決:2ヶ月の実刑判決。
ただし、大麻の所持や使用に対して、実刑判決が下される場合があります。期間は、犯罪の重大性や過去の犯罪歴などによって異なります。
・罰金:500ドルの罰金。
こちらも、額は、犯罪の程度や法的基準に基づいて決定されます。
これらの罰則は、大麻の所持や使用に対する抑止力として機能し、社会全体の安全と秩序を維持するために設けられています。
嗜好用大麻合法化の国民投票があった?
2020年10月17日、ニュージーランドで国民投票が実施されました。
投票の議題としては、下記二つ。
①「2019年終末期の選択法」案
医師等による死の幇(ほう)助を認めるもの。
②「大麻合法化及び管理法」案
嗜好用である、個人用大麻の使用を認めるもの。
投票の結果は?
①の医師等による死の幇(ほう)助を認める内容は、
・賛成票: 1,893,290 票(65.1%)
・反対票: 979,079 票(33.7%)
・無効票: 35,702 票(1.2%)
として、賛成票が過半数を得て可決。
②の個人用大麻の使用を認める「大麻合法化及び管理法」案は、
・賛成票: 1,406,973 票(48.4%)
・反対票: 1,474,635 票(50.7%)
・無効票: 26,463 票(0.9%)
として、、反対票が僅差で過半数を得ました。
これに対し、アンドリュー・リトル(Andrew Little)法務大臣は、「投票結果に法的拘束力はない。しかし、国民投票による決定を尊重しなければならない」と述べ、法案の議会提出は見送られました。
参考文献:【ニュージーランド】死のほう助及び大麻合法化に関する 2020 年国民投票
医療大麻の規制と処方
医療用大麻の処方条件
ニュージーランドにおいて医療用大麻を処方するためには、特定の条件が必要です。
まず、患者は医師からの診断を受け、他の治療法が有効でない場合にのみ医療用大麻が処方されます。
医師は患者の症状や健康状態を評価し、医療用大麻の使用が適切であるかどうかを判断します。処方される医療用大麻の量や使用方法は、患者の状態や必要性に応じて個別に調整されます。また、患者は医療用大麻の使用に関する適切な指導を受けることが求められます。
医療用大麻の価格
ニュージーランドでCBDやTHCオイルを購入する場合、通常1日6~10ドル(1000-1500円)程度が相場となっています。
ニュージーランド政府統計局のデータによると、2021年の平均世帯年収は11万451ニュージーランドドルで、日本円で約915万円。月収およそ75万円とすると、1日1500円、月5万円の費用はそこまで高くないようには見えます。
しかし、医療大麻を必要としている方々の中には働くことができない患者もいることを考えると、やはり必要な人に満足に供給することは何かしらの制度が追加で必要なことと考えられます。
医療用大麻の供給状況
ニュージーランドにおいて医療用大麻は合法的に供給されていますが、供給の面ではいくつかの課題が存在しています。まず、医療用大麻の供給元は限られており、認可された薬局からのみ入手可能です。
そのため、一部の患者はアクセスの制限を受ける可能性があります。
さらに、医療用大麻の価格は一部の患者にとっては高く、負担が大きい場合があります。
より医療用大麻の価格を下げ、患者が必要な治療を受けられるようにするために、政府や関連する機関が取り組んでいる課題の一つです。
大麻の栽培に関する規制
個人による栽培の違法性
ニュージーランドでは、個人が大麻を栽培することは違法とされています。
法律によって厳格に規制されており、大麻の栽培行為は刑事罰の対象となります。特に医療用大麻以外の目的での栽培は、法的に許可されていないため、栽培を行うと法に違反することになります。
違法な栽培行為には、逮捕や罰金などの罰則が科される可能性があります。ニュージーランドの法律では、大麻の栽培量や目的によって罰則が異なる場合がありますが、一般的には重い罰則が科されます。
政府によるライセンス制度
ニュージーランド政府は、大麻の栽培に関するライセンス制度を設けています。
この制度では、政府が認可した農場や企業に対してのみ、大麻の栽培を許可しています。栽培が合法的かつ管理された環境で行われることが保証されます。
ライセンスを取得した農場や企業は、大麻の栽培に関する厳格な規制や監督を受けることになります。品質の管理や安全性の確保が徹底され、大麻製品の安全性と品質が保たれます。
大麻使用下での運転に関する規制
運転中の大麻使用の違法性
ニュージーランドにおいても、大麻を使用した状態での運転は厳格に禁止されています。
これは、大麻の使用により運転能力が低下し、交通事故を引き起こす可能性が高まるため、法律で明確に規定されています。警察官は、運転中に大麻を使用している可能性があるドライバーに対して、薬物検査を行う権限を持っており、大麻成分が検出されれば、運転中の大麻使用として法的な罰則が科されます。
運転中の大麻使用に対する罰則
ニュージーランドでは、運転中の大麻使用に対して厳しい罰則が定められています。大麻を使用した状態での運転は、重大な交通違反とみなされ、厳格に処罰されます。
運転中に大麻を使用していることが確認された場合、以下のような罰則が科される可能性があります。
・最高で3年以下の懲役刑
・1万ニュージーランドドル(約5,000ドル)以下の罰金
・1年以上の運転免許の剥奪
このような厳しい罰則が設けられていることからも、ニュージーランドでは大麻を使用した状態での運転は厳重に取り締まられています。
まとめ
今回は、ニュージーランドの大麻法規制に関して伝えしました。
医療大麻を利用する土台は整っていますが、個人利用は厳格に規制されていました。
また、医療大麻といえど運転中の大麻使用には厳しい罰則が科されることから、社会全体での安全性が重視されていました。
現在、大麻をめぐる医療・嗜好用の法的整備は世界各国で目まぐるしく変わっていますので、引き続きCBD JAPAN一同、最新情報を追っていきます。
この記事を監修した人
CBD JAPAN 編集部
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