医療用大麻との違い|ヤバい大麻との違いは?
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2021年9月1日

医療用大麻との違い|ヤバい大麻との違いは?

医療用大麻の合法化について、世界的に議論が高まっていますが、そもそも医療大麻って一般的に危険な薬物として認知されているあの大麻と同じものなのか、それとも違うものなのか気になりますよね。

こちらのページでは、医療用大麻と嗜好用大麻との違いについて、合法化されている国の事例なども挙げながらご紹介します。

大麻について、医療用大麻とは何か、など知識を深めて合法化について改めて考えてみましょう。

医療用大麻とあのヤバい大麻に何か違いはあるの?

医療用大麻と嗜好用大麻の違い

医療用大麻というと、モルヒネ(医療麻薬)などと同じような用途かな、というイメージがあるでしょうか。

ハイになる成分を含む大麻は、世界的にも危険薬物と認識されてきた植物です。実際、医療用の大麻との区別など違いがあるのか、見ていきましょう。

医療用大麻と嗜好用大麻に明確な違いはない

結論から言うと、医療用の大麻といっても、嗜好用の大麻ときっちりとした明確な違いはありません。

ただし、医療用大麻と言われるものは、医療用と規定されるためのルールというのがあります。

日本で言えば、病院でお医者さんに処方してもらわなければ買えない薬と、どこでも入手できるサプリメントとの違いみたいなものですね。

例えば、ビタミンC製剤や鉄剤など、お医者さんから処方されることもありますが、市販品でも様々なビタミン配合、鉄分配合の商品を購入することもできます。

そこに明確な違いがあるかというと、成分の濃度だったり、使われている材料だったりが異なる場合もありますが、最も大きな差は医薬品として世に出されているかどうか、といったことではないでしょうか。

医療用大麻と嗜好用大麻との違いも、そういったものとほぼ同様と言えるでしょう。

使われる目的によって選ばれる大麻の品種や品質が異なる

医療用の大麻製剤は医薬品会社が医薬品としての規定や基準等に基づき、製品の製造管理をしています。もちろん、使用する原料なども大麻なら何でもOKということではありません。

例えば成分の含有率や配合なども明確に決まりがあるでしょう。

大麻の品種は、様々な用途目的ごとに合わせて品種改良が多々行われており、医薬品とする場合の品種でも様々な研究が重ねられています。

大麻は大麻でも、嗜好用であればハイになるTHCという成分が多いものが好まれる傾向にあり、医療用大麻とは、選ばれる品種や品質が異なるのです。

医療用大麻が合法化されている国でも扱いは様々

医療用大麻が合法化されている国での大麻の扱い

医療用大麻が合法化されている国によっても、そのルールは国ごとに定められており、症状があれば誰でも気軽に手に入れられるというわけでもありません。

医療大麻が合法化されている国の事例を5つほど見てみましょう。

以下の情報は2018年4月発行、国際薬物政策コンソーシアム(IDPC)による「Medical cannabis policies andpractices around the world 」を日本臨床カンナビノイド学会有志によって和訳された資料を参照しています。

カナダ

嗜好用大麻所持も合法化されたことで注目されているカナダですが、医療用大麻使用におけるルールがあります。

カナダで医療大麻を入手するには、医師からの医療処方や、患者に与えられるライセンス要件が必要で、販売は免許をもつ機関による郵便配達システムにより行われています。

規制されたシステムの外での生産、流通、販売は、刑事制裁となる。制裁措置は、罰金から懲役14年まで

と、薬物物質管理法による制裁があります。

コロンビア

コロンビアでは、医療処方が必須。麻薬依存者には処方できないという制限もあります。

違反すると、行政処分が下されます。

オーストラリア

オーストラリアでは、医療大麻の販売について

薬局、病院(医師が手配)、医師が処方しなければならない

とあり、患者個人が購入したり輸入したりするのはNG。

法制度以外の大麻草の栽培、配布、販売は刑事罰を受ける

と麻薬法による罰則を設けています。

ブラジル

ブラジルでは、

特定の病気に限定した上で、

薬局でのライセンスの下でのメバチルの販売と、許可された人物または団体による大麻抽出物の輸入

が認められており、

許可されていない医薬品の一般消費は禁止されている。 権限のない製品に関わるすべての行為に対する行政処分の制裁

といった禁止、制裁措置が取られます。

フランス

フランスでは、フランスまたはEU政府によって承認されている医薬品のみが合法化対象となっており、「医師からの特別な許可」が必要とのこと。

現在フランスで利用可能な唯一の製品は、一時的な許可の下、中枢神経障害性疼痛を治療するためのマリノールである

と、疾患も医薬品も限定されています。

これに違反すると麻薬法により罰せられます。

ここまで、5つの国の例を挙げてみましたが、医療大麻についても国や州によっても扱いはそれぞれ異なります。

サティベックスやマリノールといった大麻製剤に限定して許可している国もあれば、THCやCBDの含有率で制限している国もあり、また、個人の医療使用のための栽培を許可する国もあれば、禁止している国もあります。

日本と医療用大麻

日本の医療大麻事情

日本では、現在のところ医療用大麻も違法の扱いとなっています。戦後に制定された大麻取締法が大きなネックとなっているのです。日本でも世界的にも、大麻の意外な歴史を知れば知るほど、これは残念に思われます。

一般に販売されているCBDは、リラックスや睡眠導入目的で使用する方も多いですが、CBDを使用した医療大麻は今も使用されていません。

ただ、てんかんに効果を発揮する「エピディオレックス」というCBD成分を使用した医薬品の治験がスタート予定とのことで、日本も少しずつ認識を変えていく可能性も出てきました。

健康な人からは想像もつかないかもしれませんが、重篤な病気で処方される大量の医薬品と、それほど劇的な効果もないのに増幅していく副作用に悩まされる患者さんは非常に多いのです。

そうした患者さんの未来のためにも、医療大麻が広く認知されるようになることを期待して止みません。

この記事を監修した人

CBD JAPAN 編集部

CBD JAPANは2021年10月に設立された企業で、「心身の本来の力を引き出し、健康で明るい社会を作る」というミッションを掲げています。コラムは全て下記の監修者のもとで、コンテンツ制作ポリシーに従い制作しております。

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