マリファナ「非犯罪化」によるジャマイカの現状は?
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2021年8月25日

マリファナ「非犯罪化」によるジャマイカの現状は?

ナチュラルドラッグとして知られる大麻は、世界規模で見れば日常的な嗜好品として合法化されていることも少なくありません。
一方、ラスタファリ運動やレゲエ界のレジェンド、ボブマーリーで知られるジャマイカは、意外にも大麻を違法としていることをご存じでしょうか。そこで今回はジャマイカの大麻事情や歴史について解説していきます。海外文化の理解を深めるためにも、是非参考にして下さい。

ジャマイカでは2015年に大麻が非犯罪化

2015年に大麻が非犯罪化されたジャマイカ

ジャマイカといえば、大麻のトリップ効果を利用して瞑想を行うラスタファリアニズムや、大麻愛好家であると同時に、レゲエ界の伝説としても著名なボブ・マーリー氏のイメージが強いことから、一見すると完全に合法化されているようにも思えるでしょう。

しかし、従来は嗜好品としての利用はおろか医療用としても認可されておらず、実態はともかくとして、日本と同じように違法薬物に指定されていたのです。

そんな世界的なイメージとは裏腹のジャマイカでしたが、2015年に2オンス(約56g)までの所持が非犯罪化され、数百円程度の罰金で済むようになっています。

また、医療用途としても認可され、ラスタファリに基づいた宗教利用については無制限となったことから、ジャマイカ国民にとっては過ごしやすい状態といえるのではないでしょうか。

一方、日本人を始めとする旅行者に対しての販売は禁じられていることから、現地では当然のように利用されていたとしても、絶対に手をだすのはやめましょう。

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ジャマイカのこれまでを知る

ジャマイカの非犯罪化前の大麻事情

ジャマイカの現状をより深く知るためには、これまでの大麻の在り方や歴史についてを押さえておいた方が良いでしょう。

特にラスタファリ運動は同国の象徴的な宗教文化でもあるため、是非参考にして下さい。

19世紀のジャマイカにて

ジャマイカにおける大麻の始まりは、長きに渡るスペインの統治からイギリスの植民地時代に突入していた19世紀中頃とされており、紀元前2000年にまで遡るほどの大麻の歴史を持つ、インドによって持ち込まれた説が有力となっています。

そして、良質な土壌や1年を通しての温暖な気候は、大麻の栽培環境として最適であったことから、国内の本格的な流通にはそう時間はかかりませんでした。

一方、欧州系のクリスチャンが多かった当時のジャマイカにおいては、暴力的イメージを連想する大麻に対する否定的な意見が後を絶たず、20世紀初頭には大麻使用者を犯罪者とする運動に繋がり、1913年には大麻を規制する法律が制定されたのです。

そのため、懲役や100ポンドの罰金に加えて、国内における栽培や輸入といった流通経路がシャットアウトされるに至っています。

ラスタファリ運動

1913年から大麻の取り締まりが制定されたにも関わらず、ジャマイカ国内の使用率は一考に収まる気配はなく、むしろその抑圧された環境は愛好家達の更なる運動に繋がったのです。

そしてそれこそが、聖書を源流としたジャマイカ特有の宗教文化であるラスタファリ運動であり、当時の経済活動において必要不可欠な存在でありながら、不遇な扱いを受けていた労働者階級の人々にとっては、自国の腐敗した政治システムや、より良い未来を想像するための大切な活動でした。

ちなみに大麻はそんなラスタファリアンにとって、深い瞑想を得るための儀式道具であり、同時期に支配層として君臨していた欧州のクリスチャン達が危惧していた、暴力思想を終着点としたものでは決してないといえるでしょう。

また、ラスタファリ発足からしばらくした後に運動の中心人物となったのが、死後40年程度が経過していながらも、未だ伝説として語り継がれるレゲエミュージシャンであるボブ・マーリー氏です。

同氏は宗教儀式のみならず、大麻の医療利用を主張していたことでも有名であり、現代の在り方の礎を築いた人物でもあります。

植民地時代の終焉へ

大麻の取り締まりが始まってから約50年にあたる1960年~1970年代、長きに渡るイギリスの支配から抜け出したジャマイカは、それまでの不本意な規制が緩和されることとなり、更なる品種改良や効用の研究が進むようになったのです。

そして、世界的な名産地として確固たる地位を築いたジャマイカは、中米という地理的利点を活かして、北米から南米へ自国の品種を輸出していきました。

しかし、国家的には貿易取引に際しての規制が依然として存在していたことから、その経済活動は当然違法であり、大麻に対して否定的な意見を持つ人々が危険な麻薬生産国としてのイメージを抱いてしまった要因ともされています。

ちなみにこの時点での大麻の取扱いは、医療用途、嗜好品共に禁止されていたことから、実際の需要はともかくとして、あくまでもイギリスによる厳しい統治が過ぎ去ったのみといえるでしょう。

ジャマイカのこういった激動の歴史を整理してみると、2015年に決定した大麻の非犯罪化がいかに、国民にとっていかに意義あるものなのかが分かります。

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法改正におけるジャマイカの現状とは

法改正におけるジャマイカの現状

従来は大麻の所持、使用が禁止されていたジャマイカですが、2015年の法改正に伴い以下のような要件に緩和されることになりました。

  • 2オンス(約56g)までの嗜好用途大麻の所持が非犯罪化となり、500ジャマイカドル(約350円)の罰金のみ
  • 1世帯5株までの栽培が許可
  • 医療用途として認可、及び所持が全面許可
  • ラスタファリ等の宗教利用に関しては販売行為を除き無制限許可

この通り、現在のジャマイカでは所持、及び使用が実質的に解禁されており、旅行客向けに大麻農園の見学ツアー等も催されているほどです。(日本人旅行者に対しての販売は禁じられています。)

また、自国で医療大麻を使用していればジャマイカでも入手が可能となっていることからも、これまでは国家の財布にはならなかった大麻ビジネスが、貴重な財源に昇華したことを意味しています。

一方、こういった背景による需要拡大が、ある深刻な問題を引き起こしていることも押さえておきましょう。

実は、消費率が更に上昇したことに伴い、ジャマイカは大麻不足に陥っていると囁かれており、旅行サイトの口コミ等では、以前のように大麻を見つけることは難しいとまでいわれているのです。

しかし、ジャマイカ当局はそういった状況を否定していることも事実であることから、単なる憶測に過ぎないのか、可能な限り観光客流入数を落としたくないという切実な心情によるものなのかは、実際に現地を見てみないと分からないといえるでしょう。

ジャマイカでは法的に嗜好品として認められている

ジャマイカでは法的に嗜好品として認められている大麻

ここまで解説した通り、ジャマイカは長きに渡る激動を経て、ついに大麻の非犯罪化という時代を迎えることになりました。

実際のところ、すでにジャマイカでの愛好家の規模は計り知れないものであったことを考慮すれば、国民にとっては喜ばしい状況であり、他国からすれば「今までそうではなかったことが不思議」というのが正直なところでしょう。

また、こういった動きの背景には、やはり莫大な収入源を確保したい国家の思惑が深く絡んでいることから、大麻ビジネスの経済効果はどの国においても計り知れないものがあるといえるでしょう。

一方、旅行者に対する嗜好品としての売買は依然として禁止されており、万が一現地の警察機関に見つかればその場で犯罪者となってしまうため、街中で「ガンジャ」と声をかけられても絶対に手をださないようにしましょう。

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この記事を監修した人

CBD JAPAN 編集部

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