【徹底解説!】オーストラリアの大麻政策|医療大麻と嗜好用大麻の法律は?
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2024年2月20日

【徹底解説!】オーストラリアの大麻政策|医療大麻と嗜好用大麻の法律は?

現在、オーストラリアにおける大麻合法化の動きは、医療用途の増加と共に社会や経済に多大な影響を及ぼし始めています。

本記事では、この合法化が持つ複雑な側面に焦点を当て、現状とその背景、さらには社会的及び経済的影響について深掘りしていきます。
そして、合法化の波がオーストラリアだけでなく世界中に広がりつつあるこの時代に、その根底にある要因と将来への影響を解説していきます。

オーストラリアの大麻合法化の現状と背景


オーストラリアの大麻法規は、医療・嗜好用それぞれで異なり、さらに嗜好用においては、各州で異なる規制が存在します。

オーストラリアの医療用・嗜好用大麻の法規制

オーストラリアでは、医療用大麻が2016年10月から合法的に使用できるようになりました。

これは、「Narcotic Drugs Amendment Act」が2016年2月に制定されたことにより、これにより国内での医療や科学研究の目的での大麻栽培が許可されました。
また、医師が患者に対して医療用として必要と判断した場合に限り、その使用が可能となりました。

ただ、嗜好用は州により規制状況が異なります。ただ、世界的な合法化の動きの中で、オーストラリアにおいても大麻合法化の動きが広がっています。
詳しくオーストラリアの州別の大麻規制状況を確認したい方は、記事後半にまとめましたので、スクロールをしてご確認ください。

合法化への動きと背景


近年、オーストラリアでは大麻合法化に向けた動きが加速しています。

その背景には、大麻の医療利用の増加や、アメリカやカナダなどでの合法化の成功事例があるようです。また、大麻に関する社会的な認識の変化も合法化の動きを後押ししています。

オーストラリア政府の大麻政策

オーストラリア政府は大麻合法化について慎重な姿勢を示していますが、一部の州では大麻の医療利用が認められ、政府もその研究を支援しています。
ただし、大麻の合法化に関してはまだ議論が続いており、国全体では具体的な方針が定まっていません。

次に、医療大麻の合法化と現状について詳しく見ていきます。

大麻の医療利用と関連法規

医療大麻の合法化と現状


医療大麻の合法化はオーストラリアにおいて急速に進展しています。

現在、多くの州で医療大麻の使用が認められており、患者の利用が増加しています。ただし、合法化には厳格な条件があり、患者は専門医の診断書を提出する必要があります。このような制約があるにもかかわらず、医療大麻の需要は年々増加しています。

医療大麻の処方と利用条件

医療大麻の処方は専門医によって行われ、患者は特定の疾患や症状に対して医療大麻が効果的であると診断された場合にのみ処方されます。

また、医療大麻の利用には厳格な条件があり、患者は処方箋を受け取る際に身分証明書を提示する必要がありますが、これにより、医療大麻の不正な使用や濫用を防ぐための体制が整えられています。

医療大麻の普及と課題


医療大麻の普及は急速に進んでいますが、その過程でいくつかの課題が浮上しています。

まず、医療大麻の供給が需要に追いついていないことが挙げられます。また、一部の患者は医療大麻の利用に対する偏見や社会的な制約に直面しています。さらに、医療大麻の効果や安全性に関する科学的な研究が不足していることも課題の一つです。

これらの課題を解決するためには、政府や医療機関、研究機関が協力して、より包括的な医療大麻の体制を整備する必要があります。

次に、大麻合法化の社会的影響と経済的効果について考察します。

大麻合法化の社会的影響と経済的効果

社会的な大麻合法化の影響

オーストラリアにおける大麻合法化は社会にさまざまな影響を与えています。

まず、大麻の合法化は健康と医療に関する新たな議論を呼び起こしています。一部の専門家は大麻の利用が健康に与える影響を警告していますが、他の専門家は大麻の医療利用の可能性に注目しています。また、大麻の合法化は刑事司法制度にも影響を与えており、大麻に関連する犯罪の減少が見られています。

大麻合法化による経済的効果と税収


大麻合法化は経済にもプラスの影響を与えています。合法化により、大麻産業が成長し、新たな雇用機会が生まれています。

さらに、大麻の課税により、政府の税収が増加しています。オーストラリア政府は大麻産業から得られる税金を教育や福祉などの社会プログラムに投資することで、社会全体の福祉を向上させることが期待されています。

合法化の将来予測と課題

大麻合法化の将来にはいくつかの予測と課題があります。まず、大麻の合法化が進むことで、さらなる社会的変化が生じる可能性があります。

これには、大麻利用に関する規制や教育の必要性などが含まれます。また、大麻産業の成長に伴い、新たな問題が浮上する可能性もあります。例えば、大麻の利用者の健康や安全に関する問題、大麻産業の規制や監視の問題などが挙げられます。

これらの課題を解決するためには、政府、業界、市民社会が協力して、包括的な戦略を策定する必要があります。

以上がオーストラリアの大麻合法化が社会的に及ぼす影響と経済的効果についての解説です。

オーストラリアの州別規制状況について

下記に州別の規制状況を整理いたします。
2024年1月更新の情報ですが、法律に関わる情報のため、最新情報に関しては今一度ご自身でお確かめをお願いいたします。

ニューサウスウェールズ州(New South Wales)

  • 医療用大麻:合法
  • 嗜好用大麻:違法
  • 15gまでの大麻所持の場合、警察の判断により薬物・アルコールプログラムへの移管が2回まで認められている。
  • 警察は400ドルの罰則通知を発行する裁量権を有している。
  • 大麻注意制度により、個人使用目的の15グラム以下の大麻所持の場合、過去に暴力、薬物、性的暴行関連の犯罪で有罪判決を受けたことがなく、他の犯罪に関与していない者は、警察官の裁量により注意で済ますことができる(注意を受けられるのは2回まで)。
  • 250株未満の大麻栽培の罪は最高2年の懲役。それ以上の量の場合は栽培量に応じて20年までの懲役。

首都キャンベラを含むオーストラリア首都特別地域

  • 医療用大麻:合法
  • 嗜好用大麻:2020年に個人使用の少量の大麻所持と栽培を合法化(販売は引き続き禁止)。
  • 18歳以上の者は乾燥大麻50グラムまで、生大麻150グラムまでの所持が可能。
  • 1人につき2株、1世帯につき4株までの大麻プラントの栽培が可能。

クイーンズランド州(Queensland)

  • 医療用大麻:合法
  • 嗜好用大麻:違法
  • 少量の薬物(大麻50グラムまで)の場合、過去に他の薬物犯罪を犯しておらず、以前に移管プログラムを提供されたことがない場合、裁判所以外で問題を処理する薬物移管プログラムを受けることができる。
  • 500グラムまたは100株未満の大麻を所持した場合、最高で15年の懲役刑が科せられる。500g以上または100株以上の大麻を所持した場合は、最高で20年の懲役刑が科せられる。

ビクトリア州(Victoria)

  • 医療用大麻:合法
  • 嗜好用大麻:違法(少量所持のみ非犯罪化)。
  • 初犯者や個人使用のオーストラリア人の少量所持には寛大な処置が取られている。
  • 少量の大麻は、乾燥大麻50グラム以下と定義されることが多い。
  • それ以上の量の場合は、量や販売の有無などによって刑が加算される。

南オーストラリア州(South Australia)

  • 医療用大麻:合法
  • 嗜好用大麻:違法(少量所持のみ非犯罪化)。
  • 犯罪消滅法(1996年)により、以下の軽微な違反。

タスマニア州(Tasmania)

  • 医療用大麻:合法
  • 嗜好用大麻:50gまでの大麻所持は注意のみで済み、起訴されないプログラムがあります。注意は10年間で3回までとなっています。
  • 個人使用の所持: 100グラム以下または20株以下の大麻
  • 個人使用の場合は、最高2年の懲役が科されます。
  • 販売や供給目的の所持: 100グラム以上または20株以上の大麻。販売や供給目的の場合は、量に応じて刑が重くなり最高21年の懲役が科されます。

ノーザンテリトリー(Northern Territory)

  • 医療用大麻:合法
  • 嗜好用大麻:以下の少量所持の場合は、起訴されず、罰金のみ(200豪ドル)の罰則が科されます:
    • 50gまでの大麻
    • 1gまでのハッシュオイル
    • 10gまでのハッシュや大麻の種
    • 2株までの非水耕栽培の大麻プラント
  • 公共の場での使用は、2年以下の懲役となります。
  • 販売は、2年以下の懲役となり、商業用の量とみなされた場合の販売は、最高25年の懲役となります。

まとめ

オーストラリアの大麻合法化は、社会的影響と経済的効果の両面から注目されています。

ただ、医療利用の拡大や経済へのプラス効果が期待される一方で、規制や社会的課題も見逃せません。
今後の展望と課題を踏まえ、持続可能な大麻政策の構築が求められでしょう。

この記事を監修した人

CBD JAPAN 編集部

CBD JAPANは2021年10月に設立された企業で、「心身の本来の力を引き出し、健康で明るい社会を作る」というミッションを掲げています。コラムは全て下記の監修者のもとで、コンテンツ制作ポリシーに従い制作しております。

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