ファイザー社が約67億ドルでカンナビノイド関連の研究をする製薬会社を買収へ
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2021年12月14日

ファイザー社が約67億ドルでカンナビノイド関連の研究をする製薬会社を買収へ

COVID-19ワクチンを製造するファイザー社が、カンナビノイドの有効性を研究する会社をはじめ、様々な薬の臨床試験を行っている大手製薬会社を買収することになった。

ファイザー社は12月13日、アリーナ・ファーマシューティカルズ社の買収計画を発表。ファイザー社がアリーナ社の全株式を1株当たり100ドルで、契約額67億ドルを現金で支払うという内容で締結した。アリーナ社は、現在開発中の薬剤について、さまざまな多段階の臨床試験を行っており、その内の1つに、胃腸障害に対する経口カンナビノイド薬の使用を検討している。

今回買収予定のアリーナ社は、消化器、皮膚、循環器などに対する治療薬研究に取り組んでおり、特に注目すべきは治療薬の「エトラシモド」で潰瘍性大腸炎とクローン病の治療薬として試験中、その他消化器科、皮膚科、循環器科の薬剤候補となっている。

ファイザー社は

アリーナ社の買収案は、より効果的な治療を必要とする衰弱性免疫炎症性疾患の患者への治療法を開発することになる。さらにファイザー社の炎症・免疫学の専門性を補完する。

さらに、

ファイザーの優れた研究力とグローバルな開発力を活かし、免疫炎症性疾患の患者に対する治療薬『エトラシモド』の臨床開発を加速させる予定。

と述べている。

アリーナ社は、カンナビノイド2型受容体の拮抗薬の研究にも取り組んでいる。新薬候補である「Olorinab(APD371)」は、経口、末梢作用型の治療薬である。消化器系疾患に伴う内臓痛に焦点を当て、いくつかの適応症に対する薬剤候補とし、精神作用の副作用なしに痛みを緩和することが期待されている。

さらに医療用大麻の研究の進展を更に後押しする事になる今回の取引の重要性について言及しており、

今回の買収は、急速に発展する大麻の世界に大手製薬会社が関心を寄せていることがわかる。大麻の医薬品開発において、より多くのリソースと広いプラットフォームを提供する事になると思っている。今回の買収はファイザーの革新的な研究に対する長期的な狙いに沿ったものであり、我々にとって大きな勝利をもたらすだろう

としている。

米国の研究者は睡眠や運動補助としての大麻の研究など、より多くの臨床試験を実施する構えだ。

 

引用:HIGH TIMES『Pfizer to Acquire Pharmaceutical Company Testing Cannabinoid Treatment

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