パキスタン政府が大麻産業を承認。10億ドル規模の産業を狙う。
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2021年12月22日

パキスタン政府が大麻産業を承認。10億ドル規模の産業を狙う。

パキスタンの内閣は2021年12月、政府の新しい大麻作物プログラムのもと、国内初の合法的な大麻の苗の儀式として、大麻の収穫を行った。
2020年9月に産業用大麻を合法化を承認しており、大麻市場を開放すれば、大麻繊維、CBDの医薬品などの需要で10億ドルの産業が活性化するとみている。

大麻そのものよりも、大麻を使った製品の方が収益性が高く、元の物と比べ10倍ほどの利益を見込めるとしている。

パキスタン政府は、カンナビジオール(CBD)を含む大麻の一種、「ヘンプ」の生産を認めている。(ヘンプは高揚感をもたらすTHCの含有量が比較的少ない種類のこと。)

現在政府は、低迷する経済や、財政赤字、インフレによって枯渇した国の外貨財源を増やすのに苦労している。
産業用大麻市場は世界全体で約250億ドルの価値があるとされ、いくつかの国ではCBDオイルなど大麻を使った製品を対象とした法律を緩和しつつある。
ヘンプの生産は、低迷に悩むパキスタンの綿花産業を担っていた農家に新たなチャンスをもたらすかもしれないとみている。

大麻はパキスタンの一部でほとんど雑草のように育っており、巨大な茂みが生えているのを見ることが可能だ。
ヘンプは悪天候に強く、農薬も不要。少ない土地でたくさん栽培でき、綿花よりも少量の水で済むため、環境に優しく安全とされている。
また環境に優しいヘンプの生産方法は、気候変動への取り組みやSDGs推進に活用できるともみている。

しかし、社会経済的なメリットが期待されるヘンプだが、パキスタンではヘンプの生産拡大がボトルネックとなっている。
ヘンプの栽培に適した気候や風土であっても、国内には十分なインフラがなく、ライセンスや認証の要件も厳しいことから、とくに物流面が課題となる。

何れにせよ大麻の専門家達は、世界的な医学研究の進展と合法化への「分水嶺」になると見ている。

 

引用:DW『How Pakistan is trying to boost industrial hemp production

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